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港区マダムの「秘密の陶芸教室」で知る幸せのコツ ろくろを回して知る、人生を小さく豊かにする術

東洋経済オンライン / 2024年2月4日 7時40分

「旅行会社の社長」「陶芸家のサロン」というワードから、気取った成金ぽいピカピカのインテリアを勝手にイメージしていたのですが、実際にオフィスを訪問すると、予想は大外れ。

オフィス兼陶芸サロンとなっている15畳ほどの空間は、入って左側が息子さんの仕事スペースで、デスクの上にはキーボードと大きなモニターが並び、書棚には書類がびっしり詰まっています。右奥が小さな陶芸用の電気窯(とはいってもファミリー向けの両開き冷蔵庫ぐらいはデカい)と釉薬や陶芸用具が並ぶ、陶芸スペースになっています。

いい感じに雑多で、ヴィレッジヴァンガードのようなワクワク感があり、なんとも居心地がよく、一目見てすっかり気に入ってしまいました。そして、この空間の主である親子も、チャーミングかつ人情味に溢れ、話せば話すほど好きになっていくのでした。

陶芸は高尚な趣味というよりは、粘土遊び的面白さ

私は猫のフードボウルを作ることにしました。手取り足取り教わりながら、粘土を伸ばしたり、切ったり、繋げたり。これが楽しいのなんの。陶芸は大人の高尚な趣味だと思っていたのですが、完全に砂場の泥団子作りの延長です。土の手触りの気持ちよさったらありません。

食器の上に粘土を被せて型を取り、先生に言われたとおりに手を動かすと、ただの粘土がどんどんと器になっていきます。陶芸というのは映画「ゴースト/ニューヨークの幻」のように、回転するろくろを使うものだと思っていたのですが、それはもっと上達してからだそう。

「若い人は上達が早いわねえ」

「初めてとは思えないほど上手いよ」

サロンメンバーの皆さんがチヤホヤしてくれて、気分ノリノリで作り上げました。

作陶後には、先生の作った器に料理を並べて、ビールを飲みつつ反省会。メンバーの人柄もよく、会話も洒脱でごはんも美味い。夫の転勤で大阪から東京に来て近所に友人もいないうえに、コロナ禍で帰省もしていなかったため、皆で食事をすること自体が数年ぶりです。暖かく迎え入れてもらい泣きそうになるくらい嬉しかった。

月謝もびっくりするほど良心的なお値段を提示していただき、陶芸サロンへ誘っていただいたものの、当初は入会を断るつもりでした。なぜか? それは、家にモノが増えるのに抵抗があったからです。

家にモノを増やしたくないという悩み

以前の記事で、私がもともとコレクター気質でCDをたくさん所有していることを自分の価値のように思っていた時代があるということを書いています。結婚して狭い家に住むことになり、モノを減らして小さく暮らすことの魅力を知った人間にとって、モノが増えるというのは、せっかくダイエットに成功したのにリバウンドするようなもの。かなりの恐怖です。

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