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世界の「サバ缶30種」食べ比べてみてわかったこと 日本は水煮が一般的だが、世界で多いのは

東洋経済オンライン / 2024年2月5日 14時0分

味付けは、形以上に驚きが多い。大きく分類すると、水煮・トマト煮・その他の3つに分けられるのだが、意外だったのは、世界では水煮以上にトマト煮が多いこと。

アジアにもアフリカにもヨーロッパにもサバトマト缶はあって、トマトバジル、チリトマト、にんにくトマトなどのバリエーションもある。青魚で臭みがあるうえに、生だと品質の低下が著しく早いから、トマトの強い味で覆い隠すのが都合がよいのだろうか。味噌煮と同じ発想だ。加えて、魚に含まれるうま味成分イノシン酸は、トマトのうま味成分グアニル酸とあわさって、うま味の相乗効果が期待できる。サバとトマトは案外相性がいいのだ。その他の味付けは、レモンバジル、ココナッツ煮など。いずれも香りの強いものが並ぶ。

さあ、いよいよ開封。缶を開けると、たとえ同じ「サバのトマト煮」でも、おそろしく多様な味と姿のバリエーションがあることに驚いた。いくつか、レビューしてみたい。

日本(水煮)
見慣れたサバ缶。身は筒切りになって詰められている。他国のものと比べて気づくのは、身が崩れたり皮が破れたりしていなくて形が美しいこと。

中国・龍一(トマト煮)
トマト缶サイズの大きな円筒形の缶を開けると、めざしよりひとまわり大きい程度のサバを半分に切ったものがごろごろ入っている。見慣れたものよりだいぶ小柄だ。

味は、トマトソース煮というよりもトマト水に浸かっている感じで、良くも悪くも魚の味がダイレクトに感じられる。言い換えると、残念ながら魚臭さが際立つ。ながさき氏曰く、魚の鮮度があまりよくないそうだ。

マレーシアなど・Ayam(アヤム) Brand(ブランド)(トマト煮)
缶コーヒーのような縦長缶に、中国のと同じくらい小柄なサバが筒切りになって入っている。中国のものと並べてみると、皮がまったく剥がれておらず美しい形のままとどまっている。

形は美しいのだが、その微動だにしない様子は身の硬さをそのまま反映していた。身はなまり節のように硬くて、それに対してソースはとろっとかなり濃厚で、ゆえに箸を入れるとその身は真っ白なまままったく味が染みていない。こうも頑なに魚がソースにバリアを張るのは、加熱方法のせいなのか、身の性質なのか。

ノルウェー・Stabburet(スタブラ)(トマトバジル煮)
缶の形が、他の2つとはだいぶ違う。アンチョビのような平たい長方形のプルトップ缶で、ヨーロッパのサバ缶はほとんどこの形だった。開けると中には骨を外したフィレの姿でサバが入っている。身は臭みがなく、他の2つより身が柔らかく脂が乗っている印象。トマトソースはしっかり味と風味があって、ソースごとパンに乗せて食べたい。

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