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「運動神経」を向上させる脱力トレーニングとは? 身体の力みを解消すればケガも防げる

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 16時30分

私たちはよく、運動ができる人のことを「運動神経がいい」、もしくは「センスがある」と言いますが、脳からの指令(神経伝達)を身体で的確に再現できるからこそ、ハイパフォーマンスにつながるのです。

「身体の力み」があると、脳からの指令がスムーズに伝達されなくなり、頭でイメージしたことを時間的・空間的に高い精度で再現するのがむずかしくなります。

この状態で「練習が足りないからだ!」と努力を重ねても、残念ながら効果的な解決策にはならないことがほとんどです。

身体の力みはセンサーの感度を鈍くする

<弊害2>ケガや不調を起こしやすい

私たちの身体には筋肉の伸び縮みや緊張状態、皮膚感覚といった、身体の状態を感覚として教えてくれるセンサーが備わっています。

このセンサーを専門的には体性感覚と呼びます。もう少し詳細に筋紡錘や圧受容器などという組織もあるのですが、それらも含めて「体性感覚」と呼称しています。

たとえば、自分の脚がどの方向に、どれぐらい伸ばされているのかは、目で直接見なくてもある程度わかるのではないでしょうか。これはセンサーが働いているからです。

日常の動きも含めて、私たちはこのセンサーからの信号を利用して動作を形づくっています(トップアスリートはこの精度が非常に高く、ほとんどの人がわからないぐらい小さな角度の違いを鋭敏に感じ取ることができます)。

たとえばフィギュアスケートでの美しい手足の動きや、手をどれだけ伸ばせば(足をどれだけ踏み込めば)ボールをキャッチできるかなどの「感覚」は、このセンサーの働きがもとになっています。

身体の力みは、このセンサーの感度を鈍くしてしまいます。センサーの感度が低下すると、自分自身がどういう状態にあるかというフィードバックの精度が悪くなるので、おのずと身体の反応は鈍くなります。

さらに問題なのは、センサー感度が低下するとケガを誘発してしまうことです。たとえば肉離れは筋肉の力を抜くとき、すなわち筋肉が伸びないといけないときにうまく力の抜き具合が調整できずに、筋線維が断裂するのが基本的な原理です。

脳や脊髄から「伸びましょう」という伝達が入ったとき、瞬時に脱力し、筋肉の緊張が抜ける選手はケガをしませんが、そうでないと肉離れを起こしてしまいます。

このさじ加減を握っているのもセンサーなのです。

センサーの感度が重要なのは、スポーツ選手に限りません。たとえばこんな経験はありませんか?

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