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JR西の新駅で利用客が激減した私鉄駅はどこ? 関西私鉄の駅とJRの駅、ユニークな関係の数々

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 6時30分

阪急の総持寺駅(写真:けいわい/PIXTA)

”ブランドタウンが連なっている路線は?”、”通勤・通学にいちばんコスパのいい路線は?”、”犯罪率が低い路線は?”……。関西の5大私鉄を多様な観点から徹底比較した『関西の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)から、JRとの競合に関する事情を紹介します。

1987年に国鉄が民営化し、JR各社が登場したことは周知の事実である。

【写真を見る】乗ったことある?特急料金不要なのに贅沢仕様、「京阪8000系」の車内設備。「日本一豪華」を目指したロングシートも。いったいどんな車両なのか?

JR西日本は、関西圏において積極的に新駅を開業してきた。その影響で、乗降客数を大幅に減らした関西私鉄の駅が存在する。ここでは、阪急総持寺駅と阪神西灘駅を取り上げたい。

阪急総持寺駅の近くにJR新駅が誕生

阪急総持寺駅は京都本線にあり、大阪府茨木市に位置する。開業年は阪急京都本線が京阪新京阪線であった1936年のことだ。

駅周辺には住宅地が広がる。なお、駅名になっている高野山真言宗の寺院、総持寺は駅から徒歩約5分の場所にある。総持寺駅は普通のみ停車し、2017年の1日の乗降客数は約1万9000人であった。

2018年3月、総持寺駅から約700mの場所に開業したのがJR京都線(東海道本線)のJR総持寺駅である。JR総持寺駅はエスカレーター・エレベーターのメーカーで知られるフジテックの旧本社跡地に隣接している。跡地には駅前広場が整備され、マンション群が立ち並んでいる。駅前広場には、茨木市内の公共交通を担う近鉄バスが乗り入れる。

さて、2018年の阪急総持寺駅の乗降客数は約1万5000人となり、約2割も減った。JR総持寺駅から大阪駅までの昼間時間帯の所要時間が乗り換えなしの19分なのに対し、阪急総持寺駅から大阪梅田駅までの所要時間は茨木市駅での特急乗り換えを含めて21分である。

運賃もJRと同額であることから、利便性はJRに軍配が上がる。また、阪急総持寺駅の駅前は狭く、バスが乗り入れることは難しい。JR総持寺駅とは異なり、バスの利用者を取りこめない点はなかなか厳しいところだ。

新駅はJRの「投資」

同じく、JR新駅の影響を受けたのが阪神本線の阪神西灘駅である。阪神西灘駅は神戸市灘区にあり、駅名は「西灘」となっているが、実際はJR灘駅よりも東に位置する。西灘駅も普通しか停車しないが、1974年まで阪神国道線との乗換駅として機能していた。現在も国道2号線を走る阪神バスと接続している。2015年の1日の乗降客数は約6700人であり、阪神線においては乗降客数が少ない駅だ。西隣の岩屋駅や春日野道駅と異なり、東部新都心「HAT神戸」から離れている点も大きいだろう。

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