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渋谷と「ハチ公」でつながる、秋田ご当地鉄道事情 かつては寝台特急、いまは新幹線が東京と結ぶ

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 6時30分

秋田新幹線は単線区間を走ることも多いミニ新幹線。東京と秋田を直結する(撮影:鼠入昌史)

東京という巨大な都市は、いくつも中心的なターミナルがある。良いとか悪いとかではなくて、それだけ大きすぎる都市であるということだ。

【写真を見る】あなたが好きな鉄道路線はどれ?秋田県内には新幹線だけでなく、ユニークな路線がいろいろ。ハチ公の故郷・大館まで足を延ばしてみてはいかが?

そんな巨大な都市を支えるターミナルの1つが、渋谷駅。そして、この渋谷駅のシンボルは、今も昔もハチ公像だ。道玄坂の下、スクランブル交差点のすぐ脇のその名もハチ公前広場。駅の再開発で移転したことはあるようだが、金属供出で一時的に姿を消した時期を除いて、90年間渋谷の駅前に佇んでいる。

「ハチ公」がつないだ縁

そんなハチ公さん、もとはといえば秋田犬。秋田県は大館に生まれ、はるばる列車に揺られて東京までやってきた。

こうした縁があって、渋谷区と大館市は交流協定を結んでいるし、大館駅前の「秋田犬の里」には忠犬ハチ公の像が建つ。そして、そのすぐ近くには渋谷駅前でハチ公の正面に置かれていた“青ガエル”、東急5000系が保存されている。青ガエルとハチ公像のセットはまるで渋谷だ。東京・渋谷と秋田・大館は、ハチ公のおかげで強く結ばれている。

ならば、ハチ公の故郷、秋田を訪れてみよう。東京から秋田まで。飛行機を使ってもいいが、やっぱりここは新幹線であろう。

秋田新幹線は、盛岡駅で東北新幹線から分割されて西に向かう。在来線の田沢湖線の線路の上を新幹線が走るという、いわゆる“新在直通”のミニ新幹線だ。県境を越えて秋田県内最初の駅は、田沢湖駅だ。すぐ近くには、日本一深い湖として知られる田沢湖がある。

次いで在来線普通列車だけが停まる駅をいくつかやり過ごして角館。“みちのくの小京都”などと呼ばれることもあるそうで、久保田藩主佐竹氏の一族・佐竹北家が治めた武家屋敷の町並みが有名な町だ。

角館から延びる秋田内陸線

その角館駅からは、秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線が分かれている。

秋田内陸線は、太平山地を縫うように北に走り、途中にはかつて鉱山で栄えた阿仁の町を通る。北端は、奥羽本線と接続する鷹巣駅だ。もともとは1934年に鷹ノ巣―米内沢間で開業した国鉄阿仁合線がはじまりで、阿仁鉱山から産出される銅を輸送するための路線だった。1936年までに鷹ノ巣―阿仁合間が完成している。

以後の延伸は戦後になってから。1963年に阿仁合―比立内間が延伸開業し、1970年には角館線の名で角館―松葉間が開業した。しかし、中間が結ばれぬままどちらも国鉄末期に廃止対象になってしまう。そこで第三セクターの秋田内陸縦貫鉄道に移管され、1989年に比立内―松葉間が開業し全線が結ばれた。ローカルの第三セクター路線には珍しく、急行「もりよし」が走っているのが特徴の1つだ。

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