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日本の会社から「出禁」になったフランス人の発言 外国人が日本人と会議をするときの「あるある」

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 11時40分

(写真:metamorworks /PIXTA)

日本企業に勤めていても、海外の顧客や取引先とやり取りすることは少なくない。だが、目的が同じだったとしても、異なる文化や背景を持つ人たちが集まった場合、双方が驚く事態に発展することも……。本稿では、ドイツやフランス企業などの日本法人で26年間働いた経験を持つ筆者が、日本人と外国人が会議や交渉を行う際の「すれ違い」を解説する。

「本音と建前」は難しい

外資系グローバル企業の日本法人で働く中で悩ましいことの1つは、日本の顧客とのビジネスを開拓しようとする外資系企業の日本法人は絶えず日本の顧客と海外本社の板挟みになることだ。文化や商慣習の違いによって双方とも相手の考えが理解できず、うまくコミュニケーションができないからだ。

【写真】日本の会社を怒らせたのは、タイヤ開発に関するフランス人エンジニアの提案だった

最初に困るのは日本人の「本音と建前」である。

日本では、あまり付き合いのない相手との会話では「建前」を多用することが多い。これは相手に対する「敬意や思いやり」あるいは「おもてなし」の心が根本にあり、ある意味で日本人の大切な文化の1つだ。

だが、こうした慣習が文化の違う外国人とのビジネスでは障害になる。私が外資系企業に勤めていたときの実際の事例を紹介しよう。海外本社の役員が来日し、初めて日本の顧客に対して新製品のプレゼンを行った際の話だ。

予定していた1時間の会議が終わろうとしたとき、日本の顧客の責任者から「御社はグローバルな企業で技術力も高いと理解している。今日のプレゼンはよかった。来てくれてありがとう」と言われた。海外本社の役員は「いい会議ができた。新製品の売り込みはできそうだ」という手応えを感じて帰国する。

1週間後の日本法人の担当者から顧客をフォローした結果のメールで「顧客はあまり新製品に関心を持っていない。プレゼンの内容にも目新しい情報はなく興味は持てない」と告げられる。

こうした場合、海外本社の反応は大きく2つになる。

1つは「日本の顧客はうそつきだ、興味がないのならなぜ会議でそう言わなかったのか? 信用できない」というもので、もう1つは「日本法人の日本人は顧客の関係がマネジメントできていない。自分が直接やらないとビジネスはできない。日本法人のメンバーを一新しよう」というものだ。

会議で日本人が「本音」を話せる工夫

これではビジネスの拡大はおろか、顧客とのきちんとしたミュニケーションすら成立しない。そこで、私は「日本人の本音と建前」について資料を作り、海外本社で経営幹部に説明した。日本を訪れる海外本社のメンバーにも来日のたびにこれを使って説明し、啓蒙活動を続けた。

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