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「自分は運が悪い」と考えがちな人の心理的共通点 「自己愛が満たされないことが原因」と精神科医

東洋経済オンライン / 2024年2月9日 7時20分

「自分は運が悪い」「不幸だ」と考えがちな人の心理的な背景とは……(写真:Graphs/PIXTA)

あなたは、自分のことを「優しい人」だと思いますか? 

人に優しくすると、自分の気持も良くなります。それによって、脳内にセロトニンなどの神経伝達物質が分泌されて、心身にいい影響が生まれることが科学的に明らかになっています。

しかし、世の中全体がギスギスとしていますから、どうしても自分のことを優先して考えるようになり、周囲の人を慮るような精神的なゆとりを見失いがちです。

こんな時代だからこそ、「優しさとは何か?」を考えることで、その意義を見つめ直す必要があるかもしれません。精神科医である和田秀樹氏の新刊『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』をもとに、優しさの意味と意義を3回に渡り解説します(今回は第2回)。

金持ちはなぜ喧嘩をしないのか?

日本には、「金持ち喧嘩せず」という諺がありますが、これは心理学的にも正しい考え方です。金持ちが喧嘩をしないと考えられる根拠は、大きく分けて2つあります。

【図解】地頭のいい人の特徴とは?

【根拠①】「喧嘩には生産性がない」と合理的に判断している

お金を持っている人は、ムダなことや生産性のないことを嫌います。些細なことで喧嘩をしても、誰の利益にもならないことを知っているから、何かトラブルに遭遇しても、喧嘩という手段を選択しません。

逆の見方をすれば、「意味のない喧嘩は避ける」という合理的な判断ができるから、金持ちになっているともいえます。

【根拠②】生活の心配がないため、気持ちに余裕がある

金持ちが喧嘩をしないのは、気持ちに余裕があるからです。お金の不安があると、焦りやイライラが募って、人に冷たくなりがちですが、経済的な心配とは無縁な生活をしていれば、メンタルが安定します。気持ちに余裕があるから、人に優しくできるのです。

別の視点で見ると、金持ちは「自己愛」が満たされているから、人に優しくできる……と考えることもできます。自己愛とは、自分で自分のことを愛せるとか、自分が人から愛されているという感覚を指します。

優しさは自己愛の成熟度で決まる

現代精神分析学では、親の愛情をいっぱいに受けて育った人や、子どもの頃からほめられて育った人ほど、自己愛が満たされるとされています。自己愛は年齢を重ねるごとに成熟すると考えられており、自己愛が成熟すると、自分以外の人にも愛情を注げるようになるといわれています。

オーストリア出身の精神科医ハインツ・コフートは、この状態を「成熟した自己愛」と呼んでいますが、私は金持ちにもこの理論が当てはまると考えています。

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