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近未来は人間のいない戦争に備える必要がある メタバース空間における戦争「メタマゲドン」も

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 19時0分

さらに、空間内の所有権を巡る法的規制が国家レベルで強化されるにつれて、メタバース空間での治安や安全保障上の問題が一層深刻化する可能性も高まっていきます。さらに、EDTs(Emerging and Disruptive Technologies:新興・破壊的技術)によって現実空間と仮想空間の接続性がますます深まる中で、メタバース空間における秩序維持や危機対処という点で、軍事的関与やプレゼンスが求められる危機的事態にもつながりかねません。

将来的に、メタバース空間を宇宙、サイバー空間と同様に、軍事的な作戦領域の一部と位置づけ、安全保障面における対応のあり方を試行錯誤すべきです。そして今後、メタバース空間における抑止が破綻し、メタバース空間から現実空間へと攻撃の影響がシームレスに波及していくという「メタマゲドン(Metamageddon)」にも備える必要があります。メタマゲドンは、「Metaverse」と「Armageddon(神が悪魔と戦って究極的に勝利をおさめる場所とされる)」を組み合わせた多次元領域融合の戦争を指します。

メタマゲドンにおいては、メタバースが依拠するサイバー空間の脆弱性を掌握し、速やかな被害復旧、原状復帰を図るためのレジリエンス能力を蓄えておくことが攻防のポイントになります。

将来的に、デジタルツインとして潜在的なデジタル資産を蓄えるメタバースは、一つの国家的な基盤システムとなる可能性があります。その際、公共財としてのメタバース領域を、あらゆるリスクや脅威から守り、これらを持続的かつ安定的な領域として確保する視座が求められます。

それを、特定の専門家や一国だけの力で達成することは現実的ではなく、多様性を有する組織横断的な連携や、国際的な多国間協調・協力の上に初めてメタバース領域の安全が成り立つことを理解すべきです。

長島 純:在ブルキナファソ日本国特命全権大使 兼 中曽根平和研究所 研究顧問

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