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紫式部「清少納言の作品」を"猛烈批判"その心の内 「奇をてらうばかりで中身がない」と酷評した

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時10分

では、この恋多き女性・和泉式部を紫式部はどう評しているのでしょう。紫式部は、「ちょっと感心できない点もある」と記しています。これはおそらく前述の親王たちとの熱愛を指すのでしょう。

一方で、和泉式部が素敵な手紙を書いたとして、評価もしています。紫式部は、和泉式部が書いた手紙を「何気ない言葉も、香気を放つ」と絶賛するのです。和歌の才も「お見事」としています。

とは言え「頭の下がる歌人だとまでは思わない」と書いているので、手紙と比べたら、歌の評価は低かったようです。

それと比べて、紫式部が歌の才を誉めているのが、赤染衛門です。赤染衛門もまた紫式部と同じ時代の女性。赤染衛門は、赤染時用の娘でした。

赤染衛門は、大江匡衡と結婚。江侍従ら子供をもうけます。赤染衛門もまた中宮彰子に仕え『赤染衛門集』と呼ばれる歌集を残しています。

赤染衛門は、夫の尾張国赴任にも同行しています。夫や子供への気遣いある女性だったようです。この赤染衛門を紫式部は歌の「権威とはされていませんが」、ふだん、何気ない機会に詠んだ歌など「頭の下がる詠みぶり」としています。

そして、ついに、紫式部のライバルとしてよく名前が上がる「あの人」の評価が書き連ねられます。

そう、清少納言です。清少納言は966年頃の生まれだと言われており、紫式部と同じ時代を生きた女性でした。

父は清原元輔。清少納言は、橘則光と結ばれ、子の則長をもうけますが、夫とはその後、離別。清少納言は、一条天皇の中宮・定子(内大臣・藤原道隆の娘。道隆の弟が道長)に仕えることになります。

清少納言と言えば随筆『枕草子』を書いたことで有名ですが、ではそんな清少納言を紫式部はどう評価しているのか。

清少納言の作品を「中身がない」と酷評

実は「清少納言ときたら、得意顔でとんでもない人だったようですね」と酷評しているのです。

「利口ぶって漢字を書き散らしているけれど、その学識の程度もまだまだ足りないことだらけ」とも書いています。

さらには「彼女のように、好んで人と違っていたいと思っている人は、最初は新鮮味があっても、その後はだんだんと見劣りし、異様になっていくものです。風流を気取った人は、寒々として風流に程遠い折にでも、感動してしまうものですから、的外れで中身のないものになってしまうのです。中身がなくなってしまった人の成れの果ては、どうしてよいものでしょうか」とまで書いているのです。

紫式部は清少納言の作品のことを、奇をてらうばかりで、中身がないと感じていたようですね。

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