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肉系に強い松屋が「おしゃれパスタ」を始めた理由 およそ5年ぶりとなる新業態の店舗をオープン

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 7時50分

神奈川県の元住吉駅前にオープンした麦のトリコ1号店(写真:松屋フーズホールディングス)

牛めし(牛丼)チェーン「松屋」を運営する松屋フーズホールディングス(HD)は1月31日、初めてとなる生パスタ専門店「麦のトリコ」を神奈川県の元住吉駅前でオープンした。松屋フーズHDが新業態店を開業するのは、2019年ステーキ専門店「ステーキ屋松」以来約5年ぶりとなる。

【図解で見る】松屋フーズは牛丼への依存度が高い

「麦のトリコ」は白い外装でおしゃれ感を演出しながら、「自家製麺」「北海道小麦使用」を強調。店内には、白と木目調のイスやテーブルが設置されている。店内からも店外からも、ガラス越しに生パスタの製造過程を見ることができる。

松屋などでは、券売機でチケットを購入し、水や食事については注文後自らとりに行き、その後返却するセルフサービスとなっている一方で、麦のトリコはテーブルのタッチパネルで注文し、水などは店員が配膳、片づけをするフルサービスとなっている。

飲食業界関係者から驚きの声

店舗内で製麺された、もちもちとした食感が特徴の生パスタを880円、1080円、1280円(すべて税別)の3つの価格帯で提供する。「開店後、客足は好調に推移している」と、松屋フーズ広報担当者は強調する。

「肉系に強い松屋が、パスタ業態に参入した」。飲食業界のある関係者は松屋フーズが新機軸を打ち出したことに、驚きの声を上げた。それほどに、関係者の間では「松屋フーズは牛めし(牛丼)一本」とのイメージが根強い。

今回、松屋フーズがパスタ業態に進出したことには、経営課題のひとつである、牛めし(牛丼)への依存度を低下させる狙いがある。

競合他社と比較すると、松屋フーズの牛めし依存度の高さがわかる。

松屋フーズは松屋のほかに、とんかつの「松のや」や、すしの「すし松」などを展開する。しかし、国内総店舗数(1245店舗)のうち、82%にあたる1031店舗が松屋だ(2024年1月末時点)。売上高で見ると、2023年3月期の売上高のうち77%を松屋(国内牛めし定食事業)が占める。

「吉野家」を運営する吉野家ホールディングス(HD)も牛丼の割合が高く、吉野家の2023年2月期の国内売上高は全体の67%を占めている。しかし、松屋フーズと異なるのは、第2の柱の存在だ。うどんチェーン「はなまるうどん」が、売上高の15%を占めている。

ゼンショーは幅広い収益源を確保

牛丼チェーン「すき家」や「なか卯」を展開するゼンショーホールディングス(HD)は、ほかにもさまざまな業態を持つ。100円すしチェーン「はま寿司」やファミリーレストランの「ココス」、パスタ専門店「ジョリーパスタ」、さらには小売事業を展開するなど事業領域は多岐にわたる。

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