チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが
東洋経済オンライン / 2024年2月10日 6時30分
基本的には運転席背後の部分を除いて低床式となっているが、構造上、100%フルフラットではなく、車椅子で移動する必要がない部分には段差がある。自転車や乳母車などを置くスペース、車椅子対応トイレなども設置されている。車両そのものはTSI(相互運用性の技術仕様)に準拠しており、理論上はヨーロッパ各国での運行が可能となっている。
クラスは、上級座席と通常座席が用意されているが、実際の運行ではレギオジェットの料金カテゴリーであるビジネス(1等)とローコスト(2等)に分けられている。
ビジネス用の座席は、窓側と通路側が交互に配置された、実質的には1+1配列となっており、隣の座席部分には大型のテーブルが配置されている。窓側の人が出入りをする際に通路側の人に配慮する必要がない、飛行機の長距離国際線ビジネスクラスと同様の座席配置、と言えば想像しやすいだろうか。
リクライニングは電動式で、傾斜角度はそれほど大きくはないが、ただ背面が倒れるだけではなく座面も適度に後方へ下がるため、お尻がホールドされ非常に掛け心地は良い。また、フットレストではなくレッグレストが装備されている点も注目で、これは現在運行されているヨーロッパ内の多くの列車でもあまり見かけない。互い違いの1列シート以外にも、グループ向けに対面となっている座席もあり、さまざまな工夫が見られる。
一方のローコスト用座席はとくに特徴はないが、1方向向けの固定座席から、テーブルを配置した対面座席など何種類かのバリエーションがある。また、一部の対面式座席には、隣席と一体になったベンチシートも用意されている。ビジネス、ローコストともに各座席に充電用コンセントが配置されているが、ローコスト用座席は隣り合った2つの座席の間に奥まって設置されており、少々見つけづらかった。
また、今回の営業では実際に販売はされなかったものの、通常の2等座席とは別に、背もたれと小さな座面だけを有する簡易座席が設けられていたのは非常に興味深い。以前、LCC(格安航空会社)で開発が試みられた、短時間の搭乗の際に寄りかかって使用するための座席で、航空業界では安全上の問題で採用されなかったものだ。
実際に使ってみたが、普通に立つよりは楽でスペースも有効に活用でき、通勤電車なら一部にこういう座席があっても面白いと感じたが、この列車のような都市間移動に必要かどうかは疑問が残る。超低価格で販売をするのであれば、新たな試みとしては面白いかもしれない。
拭えない「低質感」と耐久性への不安
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