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チェコに登場、欧州初「中国製電車」数々の問題点 長期間認可出ずやっと運行、見かけは立派だが

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 6時30分

では、ヨーロッパ各国のメディアの反応はどんなものだったのか。

全般的に、あまり高評価は見られなかったが、まず各誌の試乗インプレッションに共通していたのは、どの座席もヨーロッパの人たちの体格で考えると狭く小さい、と評されていたことだ。身長180cm以上ある筆者の感想としては、確かにローコスト用の座席はなかなか狭いと感じたが、ヨーロッパにはTGVに代表されるように、非常に窮屈な座席の列車がいくつかあるので、そう考えれば言うほどに狭く小さいとまでは感じなかった。

内装がチープで貧相、という意見も多く見られた。地元チェコのメディアを筆頭に、プラスチックの質感が丸出しで、安っぽいと散々な評価が見られたが、実際にそれは筆者も感じた部分だった。とくにローコスト座席の座席背面テーブルは、まるで食堂のお盆のような印象で、耐久性に問題がないか心配になった。いわゆる「目隠し」「飾り」のようなものがないことが低質感を与えている印象だ。

細かい部分を挙げると、例えばビジネス用座席の場合、自席の前は前の座席のテーブル部分になり、レッグレストの足が収まる構造となっているが、その空間に前の座席の配線(電動リクライニングや読書灯など)がむき出しで垂れ下がっているのが見えてしまっている。一歩間違えれば、足で配線を引っ掛けてしまいかねない。

通常ならカバーをかけたり、壁に打ち付けて足で引っ掛けないようにしたり、という配慮がなされている部分だ。これは日本のメーカーで言うところの「お客様にビスが見えないような配慮」といった細かい部分であり、このような点を気にするのは日本人的な感覚かと思っていたが、ヨーロッパの人たちも同様の印象を持ったようだ。

現地では、「ローコスト座席にコンセントがなかった」という報道も見かけた。実際には前述の通り、隣の座席との間の奥まった場所に設置されているのだが、気付きにくい場所に設置する場合は、きちんと明記する配慮が必要かもしれない。

テーブルの脚が浮いている…

では、実際に乗車した筆者の印象はどうだったか。印象や意見というものは個人の主観が入ったものとなりがちだが、ここから記すことは忖度なしに、あくまで客観的な立場からの公平な見解である。

まず内装などの造りであるが、いろいろなタイプの座席を試すなど、意欲的な仕上がりとなっており、これは非常に評価できる点だ。とりわけ最上級のビジネス用座席は、今後ますます鉄道が見直され、長距離列車の復活も叫ばれている中、多くの鉄道会社が同様の座席を取り入れても良いのではないかと考えられる。

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