1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

「大雪の通行止め」が露わにした判断の困難さ 246に甲州街道…一般道も閉鎖で大渋滞に

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時40分

2月5日の午後、東京は雪に見舞われ首都高などは予備的な通行止めを行った(筆者撮影)

2023年1月下旬、当連載で新名神高速道路で大雪のために30kmを超すクルマの立ち往生が発生した「事件」について考えをまとめたが、この冬も高速道路と雪との闘いが大きなニュースとなった。

【写真】246、甲州街道…一般道も「通行止め」に

注目すべきは2つあり、1つは1月24日から25日にかけて、名神高速道路関ヶ原IC付近で発生した大規模な立ち往生。そしてもう1つは、2月5日午後からの首都圏でのことだ。

大雪予報が出ていたこの日、首都高などでは予備的な通行止めが行われ、立ち往生が未然に防止された一方で、一般道で大規模な渋滞が発生した。立ち往生を招いても事前に防いでも、今後への課題が浮上する、ある種“もぐらたたき”のようになっているところに、「高速道路と雪」の難しさがある。

調整を行うNEXCO各社や国土交通省、警察など関係者のご苦労や立ち往生、大渋滞に巻き込まれた方々の苦難にも思いを馳せつつ、今冬の雪との闘いについてまとめてみたい。

事前の通行止めで立ち往生なしでも一般道が大渋滞

まず、「もう1つ」のほうの首都圏での様子からお話ししたい。

2月5日、神奈川県との県境に近い東京・大田区に住む我が家のまわりでも、夕方になって降雪がひどくなり、みるみるうちに道路やクルマのフロントガラスが雪化粧を始めた。ふと、自宅からほど近い中原街道に出てみると、身動きの取れなくなった車列が延々と続いているのに目をみはった。

交通情報を確認すると、首都高3号線とそれに接続する東名高速道路は、静岡市あたりまで昼前からずっと通行止め。首都高4号線とそれに接続する中央道も、山梨県まですべて同様に通行止めとなっていた。

しかも、驚いたことに中央道と並行する国道20号線(甲州街道)も世田谷区から西が午後から通行止め。

さらに、東名と並行する国道246号線も都内から神奈川県にかけて通行止めとなっていたほか、東京と横浜を結ぶ第三京浜も通行止めとなっていた。

つまり、多摩川中流域で東京都と神奈川県を結ぶ幹線道路が軒並みマヒ状態になっており、唯一といってよい中原街道にクルマが殺到したことが、私が目撃した「動かない車列」の原因だったようだ。

中原街道は、江戸期に東海道の脇往還として往来に使われた、江戸と神奈川県の平塚を結ぶ街道である。現在も五反田で国道1号線と分かれたあと、ほぼ東急池上線沿いに田園調布まで来て丸子橋で多摩川をわたり、川崎市中原区から横浜・港北ニュータウン方面を結ぶ主要な大通りとなっている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください