婚活は「地元のバーベキューが吉」である納得理由 「マイルドヤンキーの世界」これだけの利点
東洋経済オンライン / 2024年2月11日 13時0分
11歳も年上なので完全に上司目線の感想である。よく日焼けしていてスポーツ選手のような風貌の信行さんのほうは美穂子さんにどんな印象を持ったのだろうか。さきほどからZoom画面に入ってくれているが、緊張しているのかほとんど口を開かない信行さんに質問した。
「(参加した女性の中では)一番話しやすいなと思いました」
ボソリと答えてくれた信行さんだが、祭や消防団などの集まりが大好きで、お酒をたくさん飲むと饒舌になるようだ。バーベキューの場でも、同い年の恋人が精神的に不安定なので疲れてしまって別れようか迷っているという愚痴を美穂子さんに聞いてもらったという。
年齢差は気にならなかった
その1カ月後、やはり地元の飲み会で美穂子さんと信行さんは再会した。すでに恋人と別れていた信行さんは初対面から好印象を持っていた美穂子さんに惹かれ始める。年齢差は気にならなかったのだろうか。
「父が地域のボランティア活動をしていたので、小さい頃から年上の人ばかりと関わってきました。もともと年上の女性が好きなんです。自分は内弁慶なので、(美穂子さんが)ハキハキしているのがいいなとも思いました」
連絡先を交換した2人は一緒に食事や祭に行くようになった。そして、地元の花火大会で信行さんは美穂子さんに「付き合おう」と告白した。美穂子さんは即答できなかったと明かす。
「嬉しかったけれど、年の差があり過ぎるのでどうしようと迷いました。私は次に付き合う人とは結婚したいと思っていたけれど、ダンナの人生はまだまだこれからだから……。でも、とりあえず付き合ってみることにしました」
その1年後に2人は一緒に住み始める。結婚も視野に入れていたが、直接的なきっかけは長電話による睡眠不足だった。
「お互いに実家にいた頃は、毎晩1時間以上も電話で話していました。寝るのが遅くなってしまうので、『この先どうする?』という話もして2人でアパートを借りることにしました」
それが現在の住居だ。引っ越し後すぐに妊娠して、そのタイミングで婚姻届を提出した。お互いに子どもが欲しいと思っていたのでスムーズな展開である。
現在、美穂子さんは保育園での勤務をパートに切り替えて、扶養の範囲内で働いている。勤務先に娘が通う幼稚園が併設されているので、送り迎えは美穂子さんが担当。自宅との間に位置する実家には関係良好の両親がいて、かわいい一人娘である美穂子さんと孫をいつでもフォローしてくれる。地元での結婚ならではの恵まれた環境である。
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