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みんな凸凹で当たり前、目指すは"一流のチョコ" 久遠チョコレートは社会貢献ブランドではない

東洋経済オンライン / 2024年2月12日 13時0分

高見さんこそ、走り始めてまだ2年目の僕らを、日本最大級のバレンタイン催事「バレンタインチョコレート博覧会」に呼んでくれた恩人。チョコレートのプロのなかのプロとも呼ぶべき目利きだ。

催事初参戦の不慣れな僕らは、前述のように生産が追いつかず陳列棚を空っぽにするという大失態を犯し、売り上げも目標の4分の1に留めてしまった。

当然、翌年はお呼びがかからないだろうと落胆していたところ、高見さんは「あなたたちのお菓子は美味しい。方向性は間違っていないから、来年こそ頑張ってください」と僕らに再び声をかけてくれたのだ。

カリスマバイヤーが大事にしている思い

高見さんが大事にしているのは、それぞれのブランドがどんな思いでチョコレートを作っているのか。

思いのないブランドは、たとえ前年の売り上げが絶好調だったとしても、催事に呼ぶことはないそうだ。バレンタインに代表されるギフトチョコレートは、大事な人に思いを伝えるものだからかもしれない。

駆け出しの僕らは製造も生産管理も力不足だったが、思いの熱さではどこにも負けない自信があった。

最初に催事へ呼ばれた時も、事前打ち合わせで僕が、「僕らは社会貢献ブランドではない。誰が作っているかで評価されるのではなく、美味しさだけで評価されたい。『思いは誰よりも熱く。やるべきことはシンプルに美味しいチョコレートを作る』が僕らのモットーです」と語ったところ、「面白い」と共感してくれたのだ。

バレンタイン商戦は百貨店間の競争も厳しく、毎年同じ方向性で乗り切れるほど甘くはない。マンネリに陥ると消費者は飽きてそっぽを向いてしまうものだ。

リベンジマッチである2度目の催事に臨むにあたり、久遠チョコレートはどんな方向性を打ち出せるのか。

高見さんの問いかけに、たった6種類から始まったテリーヌチョコレートの種類をもっと増やし、日本中の面白い食材を組み合わせたチョコレートを1枚からバラで買えて、好きに組み合わせる「日本再発見」というコンセプトを提示した。それも高見さんは「いいね」と面白がってくれた。

国内最大級のバレンタイン催事

現在では、うめだ阪急のバレンタイン催事のおよそ1ヵ月間で、2000万円ほどを売り上げるまでになった。

2022年の催事では、なんと本店1階の正面入り口のいちばん目立つところに、久遠チョコレートがドーンと出店。売り場の横幅は長さ15メートルもあり、豊橋本店より遥かに広い規模での展開だった。少しずつ自信がついてきたとはいえ、この時はさすがにドキドキした。

結果は大成功。1日の売り上げが200万円を超える日もあったのだ。

チャンスをくれた高見さんには感謝しかない。

夏目 浩次:久遠チョコレート代表

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