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北米ホンダ旗艦SUV「パイロット」4代目の快進撃 国内未発売モデル、アメリカの大地で徹底試乗

東洋経済オンライン / 2024年2月12日 12時10分

エクステリアデザインはWR-Vともイメージが近く、SUVらしいスクエアなフォルムを採用。シンプルながらもキリリと引き締まった表情が印象的だ。BEVのプロローグも類似したデザインを採用しているので、今後しばらくホンダSUVのデザインは、この路線で行くのかもしれない。

パワートレインは3471ccのV6自然吸気エンジンと10速ATの組み合わせ。グレード別にFFとAWDが用意されるが、試乗車のトレイルスポーツはAWDのみの設定だ。

そのAWDには路面状況に応じて前後駆動配分を最適制御するi-VTM4を搭載。定常走行ではFFとして走る一方、各種センサーが後輪への駆動配分も必要と判断すれば、リヤデフ内部の左右に備わる電子制御可変トルククラッチを作動させる。滑りやすい路面のスリップ抑制や登坂時の後輪駆動配分など、さまざまな状況で優れた操縦安定性を引き出してくれる。

最高出力は285hp(289ps)、最大トルクは262lb-ft(355Nm)と十分にパワフルだが、加速の出方は意外と穏やか。とくに登坂時はもう少し機敏に加速してくれた方が日本人好みだと思うが、最大で7つの走行モードから選択できるドライブシステムでスポーツモードを選択すれば、溜飲を下げることができる。

荒野で実力を発揮、絶大な安心感

全体的に腰高なSUV特有のふわふわした乗り味であることは当然として、パイロットはその中でもとくにソフトな印象。なにごともパキッとしたフィーリングを好む人には向かないと思うが、これはこれでアメリカンSUVらしい味だと感じた。

トレイルスポーツは標準でオールシーズンタイヤを装着している点も見逃せない。試乗車にはコンチネンタルのTerrainContact A/Tが備わり、街中やハイウェイを走るときには大きなブロックに起因するコツコツ感が伝わってくる。

一方で、あえて幹線道路をはずれて未舗装路に踏み出すと、それは絶大な安心感に取って変わった。メーター内のマルチディスプレイに四輪の駆動配分を表示することも可能で、登坂時にしっかり後輪にトルク配分されていることを確認。ドライブシステムでトレイルモードを選択すると、TrailWatchと呼ばれるマルチビューカメラ映像が自動で表示され、目視しにくい路面の状況を把握できる。

また、日本でもおなじみの安全運転支援システムHonda SENSINGも標準装備されており、もちろんアダプティブクルーズコントロール(ACC)も採用されている。アメリカのハイウェイは日本の高速道路ほど車線がくっきりしておらず、ところどころ薄れたり、実線なんだか破線なんだかわからなかったりすることもしょっちゅう。それでもフロントカメラの性能は優秀で、破線もしっかり認識するほか、ほかのクルマがとなりの車線から割り込んでくる際の減速制御も上手だ。これならば雪山で遊んだ帰路も安心だろう。

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