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韓流だけじゃない!「新大久保」知られざる大変貌 エスニックビジネスの激戦区、外国人が集まるワケ

東洋経済オンライン / 2024年2月12日 7時0分

新大久保で「MICスーパー」を経営するダス・ポンコズ・コマルさん(筆者撮影)

東京・新大久保といえば、コリアンタウンとして知られていますが、近年は外国人が経営するエスニック食材店が増えるなど変貌を遂げています。なぜ新大久保に外国人経営者が集まるのか。新大久保在住のライターの室橋裕和さんがリポートします。

外国人同士でも「日本語」が共通語

「らっしゃい、らっしゃーい!」

【写真】日本では見慣れない野菜も!新大久保のアジア食材店「MICスーパー」で売られている商品

威勢のいい声が、店内に響く。声の主は日本人ではない。バングラデシュ人のダス・ポンコズ・コマルさんだ。東京・新大久保にあるアジアの食材がびっしりと並ぶ「MICスーパー」の店主である。

忙しく立ち働くダスさんに、ベトナム人のお客が声をかけてくる。調味料について尋ねているらしい。

「これ、けっこう辛いよ」「大丈夫かな」

2人の会話は日本語だ。多国籍な人々が行き交うここ東京・新大久保では、外国人同士でも日本語が共通語として話されている。

そんな街を反映するように店の商品も多種多様。インドの米やスイーツ、スパイス、タイやベトナムの調味料、アジア各国のスナック、マンゴーやココナツといった南国の果物、見たことのないナゾの野菜……。

「肉はみんなハラル(イスラム教の戒律に則って処理され、食べてもいいとされるもの)ですね。とくに冷凍の鶏モモはよく売れます」

宗教を問わず幅広く売れる鶏肉は、この手のエスニック食材店の「鉄板」だ。それに、どんな民族でもよく使う、ジャガイモやキャベツ、人参、玉ねぎといった野菜は店頭の目立つところに陳列している。しかもけっこう安いのだ。

「入り口にあるものが安かったら、じゃあ中も見てみようって思うでしょ」

日本のスーパーマーケットでも取り入れている戦略なのである。なお野菜や果物はすぐ近くにある淀橋市場や、板橋市場などから日本人の業者を介して仕入れているそうだ。こうしたエスニック食材店でも、取引を通じた日本人との付き合いは欠かせない。

いまやエスニックビジネスの超激戦区

新大久保はいまや、エスニックビジネスの超激戦区となっている。さまざまな国のレストランが並ぶだけでなく、印象的なのは食材店の多さだ。インド、ベトナム、韓国、中国、ネパール、タイ、それにインドネシアやパキスタンといったハラル(イスラム教の戒律で食べることを許されたもの)の店など、30軒以上のエスニック食材店がしのぎを削る。

とりわけJR新大久保駅とJR大久保駅の間がすごい。ほんの300メートルほどなのに、周辺の路地も含めると20軒ほどの食材店がひしめく。週末になると、買い物にやってきたさまざまな顔立ちの外国人で賑わう。

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