1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

社員の辞めそうな"兆候"を察知する「1on1のコツ」 週1回30分の「上司と部下との対話」驚きの効果

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時30分

ただし、話題はすべて部下が選びます。部下が望めば業務上の指示やアドバイスをしてもいいですが、そうでない限りはNGです。仕事の意思疎通に必要なコミュニケーションは、別の時間で確保します。

その時間を使って、「どこに旅行に行くのが楽しいか」といったプライベートの話から、仕事上のトラブルやキャリアの話など何でも話すことができます。コミュニケーションの頻度と質を高めることで、効果は高まります。たまに「面談をしてください」と言われて行う1on1とは違います。

部下から見ると、上司はいつも忙しそうです。「ちょっとすみません、この件を教えてください」とは言いづらい。そのため、トイレに行くときに話しかけたり、会議室に移動するところを狙ったり、なんとかタイミングを見て話しかけようとします。

それに、上司のスケジュールを見ると、予定がぎっしり詰まっています。部下が見ても、それぞれの予定について、どれだけ重要なのか、自分が話そうとしていること以上に優先されることなのかといったプライオリティがわかりません。

だから邪魔をしないように空いている時間を狙いますが、実際には、上司の予定より部下からの報告のほうが大事だというケースはたくさんあります。

このように、部下が上司の様子をうかがいながらコミュニケーションしているケースが多いと思います。このことがリスクにもなり得るわけです。

何かトラブルが起きたとき、その実証と解決策をセットで報告しないと怒られるような会社もあります。しかし、解決策なんてすぐには考えられません。「どう報告しよう……」と考えている間に、事態はどんどん悪化していって、より悪影響を及ぼすようになってしまうこともあります。

部下が上司に知らせることなく自己解決していたとしても、上司に知らせて対話していたら、より良い解決方法が生まれていたかもしれません。

自分で考えることは重要ですが、やはり情報のキャッチボールが必要です。わからないことをすぐに「わからない」と聞ける関係性のほうが、個人としてもチームとしても健全です。

何かあったらすぐに報告できる間柄をつくるには、お互いの関係性が良くなければいけません。ただ、大人に「仲良くしなさい」といっても仕方ありません。何でも言える間柄を構造的につくる必要があります。

そのためには、コミュニケーションの質と頻度が重要です。

質とは部下が話したいことを話せるようになること。そのため上司は話し過ぎないように、発話量を30%以内にします。頻度は1週間に1回30分のコミュニケーションを繰り返すことで、普段から話しかけやすい関係性をつくることができます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください