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社員の辞めそうな"兆候"を察知する「1on1のコツ」 週1回30分の「上司と部下との対話」驚きの効果

東洋経済オンライン / 2024年2月13日 7時30分

そうすることで、気付いたことをすぐに報告できたり、不安や心配に思っていることを気軽に話せたりするようになる。その結果、部下の成長に寄与できる時間になっていきます。

1on1で退職や失注のリスクを回避

上司と部下の関係性が構築されることについて、経営的なメリットとしてリスクの予測や回避ができるようになります。

一番のリスクは社員の急な退職です。退職する社員はたいてい、突然「申し上げづらいのですが……」と切り出します。突然空いたポジションに人を入れて、育てていくのは大変です。

それが、1on1をしていると、普段からなんとなくサインを送ってくれます。「ちょっと他の会社が気になっています」「僕は本当はこういうことをやりたいんです」といった話題が出てくる。そこで相談に乗れば、辞めるという決心をしないかもしれません。辞めるとしても、早めに手を打つことができます。

それに、急な失注やトラブルにも、予兆があります。「お客様の顔が曇っていた」「電話が通じづらくなった」「会ってもらえなくなった」。はっきりと問題になっていなくても、小さなことが積み重なって、担当者は不安を覚えるようになります。

そうした予兆は、得てして感覚的なものです。しかし会議の場ではロジカルなことでなければ発言しづらい。「すみません、あのお客様の顔が曇っていたので、失注するかもしれません」と言えば、上司に「お前、何言ってんだ。もっと論理的に説明しろ」と言われてしまいます。

リスク予測でトラブル前に対応

それが1on1の場合には、極端な話「失注する夢を見ました」と言ってもいいわけです。そうすれば上司は、「何か心配事でもあるの?」「不安を感じているからそういう夢を見るんじゃない?」と聞いてくれます。

そこから、「実は最近お客様が会ってくれないんですよね」と言えば、「じゃあ一緒に面談に行ってあげようか」「私から連絡しておくね」と、手を差し伸べることができます。

このように、リスクの予測ができることで、トラブルの前に対応できます。私たちが1on1を始めたとき、マネージャーの中には「時間がかかって大変です」と言う人もいましたが、リスク回避ができることを実感するようになってからは、そうした発言もなくなりました。

1on1の時間よりも、トラブルのリカバリー時間やコストのほうが膨大です。事前に対応できることで、お客様にも、従業員にも、会社にも、与える影響を極小化できるのです。

石原 洋介:株式会社PHONE APPLI 代表取締役社長

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