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「年収倍増も」日本を見限る日本人はどこへ行く? 円安定着のこれからは海外のほうが稼ぎやすい

東洋経済オンライン / 2024年2月14日 11時0分

脱ニッポンといえば、かつてはワーキングホリデーを利用した若者の行動が象徴的だった。日本はオーストラリアなど29カ国・地域と協定を結んでいる。筆者の学生時代にも友人が1年間オーストラリアに渡って働きながら英語を学び、帰国後、大学を卒業して外資系企業に入社した。長い歴史がある制度だ。

ワーキングホリデーの人気先は今でもオーストラリアで、2022年ー2023年度の同国におけるワーキングホリデービザ発給数は、(日本国籍保有者)1万4398件。過去最大となったと現地メディアが報じている。

最近の海外就労の動きはどうなっているのだろうか。2023年の求人掲載数800件、応募数累計2500件の海外求人サイトWORLD POSTを運営する長島紀彦氏は、「コロナ禍明け以降、飲食店関連の求人掲載数と応募者が目に見えるほど急激に増えた」と最近の状況を語る。

「コロナ前の求人掲載は、一般求人8割、飲食店関連2割だったのが、コロナ禍明け後は一般が5割程度まで落ち込み、逆に飲食店関連が5割程度まで増えました。応募者のメインは30代、40代の独身者。日本である程度の社会経験を積んだ方がほとんどです。20代は海外移住のためというより、ワーキングホリデーで短期間行く人が多いですね」

給料大幅アップのすし職人が人気

では、メイン層の30、40代独身者群の海外転職の目的、動機は何だろうか。

「ここ数年は日本よりも給料がよいという理由が圧倒的に多いですね。30代だと国内では年収400万~500万円が相場ですが、海外なら1000万円も夢じゃない。過去に当サイトでは、アメリカのすし職人で年収2200万円というケースがありました。円安の今、海外で稼ごうと思っている人が多いのではないでしょうか」(長島さん)

残業が少ない、休日が多い、気楽な人間関係など海外の労働環境が魅力との声も多いという。

「日本で10年働いたあとにオーストラリアで調理師として就業された方が『日本人は働くために生きている。オーストラリア人は余暇を楽しむために生きている』と話していたのが印象的です。あとは、日本のぎすぎすした人間関係がいやで海外を志向される方もいて、そういう方は日系企業以外の求人を問い合わせてきますね」(長島さん)

レアケースだが、日本で出会った恋人が外国人で、その国の求人はないか、といった問い合わせもあるようだ。求人の応募者はほぼ50代までで、60代以降はほとんどないという。

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