早急に海底活断層評価を、地震学の専門家が警鐘 能登半島地震で、政府の対策の遅れが露呈
東洋経済オンライン / 2024年2月14日 7時0分
国交省は自治体の津波対策に役立ててほしいということで調査報告書を策定し、これを踏まえて日本海側の各県が対策に乗り出しました。
石川県では地域防災計画の津波災害対策編が改定され、F43およびF42断層の活動による地震の規模や長さ、幅、平均すべり量、津波の高さなどが想定されました。
他方、同防災対策の地震災害対策編では同断層は考慮されず、四半世紀前の評価に基づく地震被害想定のままになっていました。
その結果として「能登半島の北方沖の地震」については「ごく局地的な災害で、災害度は低い」という評価にとどまっていました。
政府の地震本部の「確率論的地震動予測地図」でも、能登半島北部は「今後30年に震度6強の揺れに見舞われる確率」が相対的に低い地域に区分されていました。
今回の断層が評価対象に入っていなかったためです。
今あるデータを用いて沿岸部の活断層の評価を
――産総研などによる沿岸部の活断層に関するこれまでの知見を基に、陸地での地震の規模を想定することは難しいのでしょうか。
活断層の長さや傾斜などのデータがある程度わかれば、それを基に「強震動レシピ」と呼ばれる計算式を使って地震動の大きさを試算することはできます。今回、「こういう断層が能登半島沖にあって、これが動くとこういう震度分布になる」という予測を示せていなかったことは残念です。
海岸近くの海底活断層については、沿岸漁業との兼ね合いや水深状況から海底音波探査がやりにくいといった技術的な問題はありますが、今すでにあるデータを用いて地震動予測地図のようなものを作ることはできる。とにかく急いで評価すべきと思っています。
――今回の地震では、地震の規模(モーメントマグニチュード7.5)や最大4メートルとされる地盤の隆起の大きさなどについて、専門家の間でも驚きの声が上がっています。
能登半島地震では、約150キロメートルにわたっていくつかの断層がドミノ倒しのようにずれ動いたと言えます。約150キロメートルというのは、糸魚川静岡構造線という本州を東西に引き裂く陸域の巨大活断層に匹敵する長さです。
その結果として、地震の規模はモーメントマグニチュード7.5と、非常に大きくなりました。海岸の隆起が最大で4メートルになったことも大変な驚きでした。能登半島の地質地形から推定すると3000~4000年に1回くらいの頻度で大規模な隆起が起きてきたとみられます。今回、私たちはそうした、ある意味で奇跡的な瞬間を目撃したことになります。
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