1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

早急に海底活断層評価を、地震学の専門家が警鐘 能登半島地震で、政府の対策の遅れが露呈

東洋経済オンライン / 2024年2月14日 7時0分

――能登半島のような大規模な隆起による地形はほかの地域でも見られるのでしょうか。

北海道から青森県の日本海側、秋田県、山形県、新潟県、能登から福井県の越前海岸、若狭湾にかけて、海岸線に顕著な隆起地形がみられます。

能登半島の周辺部では、大きめの地震に注意を

――今回の地震では津波の到来の早さも注目されました。

日本海で起きる津波の特徴として到達の早さを指摘できます。これは、海底活断層が陸地に近いところにあるためです。富山県の沿岸部では、能登半島地震の発生からわずか2分程度で第一波が来ています。海底の斜面が地滑りを起こして津波を引き起こしたためです。津波の到来は想定の4~5分よりはるかに早かったと言えます。

――NHKのアナウンサーが「すぐに逃げてください」と呼びかけ、気象庁が石川県沿岸に大津波警報を発令しました。

呼びかけ自体は的を射たものですが、実際の津波は大津波警報の発令以前に来ています。海岸線に近い地域に住んでいる方は、大きな揺れを感じたらすぐに高台に避難するくらいの心構えを持っておく必要があります。

――今後の大きな地震の可能性はどうでしょうか。地震の回数自体は次第に収まっているようですが。

ひずみが解消されたので、今回の地震の震源域で同じ規模の地震が起きるということはないだろうと思います。他方、気になるのは断層帯の周辺部です。断層帯の東西に位置する志賀町の沖合や佐渡島の沖合などではひずみが残っている。そうした断層帯の端の部分で地震が起きやすい状態が続くと見られ、大きめの地震に注意が必要です。

金沢市から富山市のあたりでも地震が増えています。ほとんど身体に感じない、マグニチュード1~2程度の地震ですが、普段の数倍から10倍くらいの頻度で発生しています。佐渡島のあたりでも回数が多くなっています。

石川県の中部には邑知潟(おうちがた)断層という大きな断層がありますが、そこにもひずみが加わっている可能性があります。今回の能登半島地震の震源から100キロメートル以内のエリアでは大きめの余震がいつ起きてもおかしくない状況です。

岡田 広行:東洋経済 解説部コラムニスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください