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5億円の義援金を北陸に贈る「村田製作所」の胸中 能登半島地震の被災地は「事業発展の礎」だった

東洋経済オンライン / 2024年2月14日 7時50分

「震源に近い能登半島には中小規模の事業所が4拠点あり、定期的に訪れてきたこともあって、活気ある生産現場やそこで働く皆さんの姿が目に浮かぶ。被災した従業員とその家族が一日でも早く日常を取り戻せるよう、並びに被災した事業所が早期にその活気を取り戻し、地域が復興を遂げられるよう最大限の支援を行っていくのはムラタの使命だ」

「個人的には、有志による義援金募金への参加、能登の物産の購入や能登地方を訪れる機会を増やし、産業の復興支援に微力ながら貢献できればと思う」

気象庁によると、石川県能登地方では、2018年ごろから地震が増加傾向にあった。2020年12月には活動が活発化し、2023年5月ごろからさらに活発に。そして今年1月1日の大地震で地震の発生領域も広がったという。

つまり、地震は群発的に発生しており、またいつ大災害が起きないとも限らない状況だ。それでも村田製作所が北陸から撤退する考えはないという。上林部長はこう語る。

「地震をはじめとした災害のリスクは、北陸地方に限らず、どの拠点においても起こりうる。その中で部品メーカーとしての供給責任を果たすため、ムラタグループ全体としてBCP(事業継続計画)強化に努めていく。北陸地方の一員として、一日も早い復興を願うとともにできる限りの支援を進める方針だ」

根源にある創業者の言葉

その根源に生きているのが、創業者の言葉だ。「そこにムラタがあることが、地域の喜びであり、誇りでありたい」。五井氏は「この精神が従業員に根づいている」と強調する。

能登半島地震による工場の被災で同社が受けた損害は30億~50億円ほどと見込まれている。そんな状況下での多額の義援金の拠出は、同社なりの改めての決意表明なのだろう。

つねに地域と共に歩んでいく――。被災地が復興を遂げたとき、その輪の中には「muRata」の赤いロゴも以前と変わらず輝いているはずだ。

石川 陽一:東洋経済 記者

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