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新NISAでも活用できる「対数」東大生が教える凄さ 利息の計算が超簡単に!知っておくと役立つ考え方

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 11時30分

今回は「対数」について解説します(写真:yukkee/PIXTA)

数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を⾒る視野が広がります。今回は高校数学で学ぶ「対数」について、現役東大生の永田耕作さんが解説します。

※外部配信先では対数(log)や指数がうまく表示できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

「複利」効果を使って資産を増やす

2024年から始動した新NISA。従来のNISAより投資上限額と非課税保有限度額が拡大されたことから、制度を活用して資産を増やしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。そのときに重要となってくるのは、「複利」と呼ばれる利子の計算方法です。それを説明するために、まずはこちらの問題を考えてみましょう。

【画像】iPhoneの「計算機アプリ」の中にある対数の機能

問題:元金100万円を年利4%で運用したとき、元金が2倍になるのは何年後でしょうか?

この問題、もしかするとこのように考えた人がいるかもしれません。

元金が2倍になるということは、利子がちょうど元金と同じだけ、つまり100%付く必要がある。1年で4%の金利であるため、100÷4 = 25より、元金が2倍になるまで25年間かかる……。

正解はそれより7年間も短い「18年」で元金の2倍以上になります。この背景には、「単利」と「複利」の計算方法の違いがあります。その違いは利子を元金に組み入れるかどうかです。

元金100万円で年利4%の場合、1年後には利子4万円が付いて104万円になります。ここで、得られた利子は元金に入れずに、翌年も100万円に対して4%の利子が発生するのが「単利」であり、利子も入れた104万円に対して4%の利子が付くのが「複利」です。

つまり、単利の場合は1年目も2年目も同じ4万円の利子が付きますが、複利の場合は2年目の利子は

104万円×4%=4万1600円

となり、単利よりも1600円多く利子が付くことになります。

3年目は2年目に増えた1600円分に対してもさらに4%が付き、時間経過につれてどんどん利息が増えていきます。最終的に、18年目の利息は単利が4万円なのに対して、複利では約7万8000円と2倍近くもらえるようになるのです。このように考えると、単利と複利の違いがいかに大きいかわかっていただけたと思います。

対数は膨大な量の計算を簡単にするために使われる

この複利の考え方は、一見とても複雑に見えます。「元金が2倍になるのは何年後?」と言われても、そんなことどのように計算すればよいかわからないという人も多いでしょう。しかし実はこれ、高校数学で学ぶ「対数」を使えば、簡単に導き出せるのです。

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