1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「敵に塩を送る」行為が"メリット"に働く意外な訳 大学受験を目前に控えた高校3年で学んだこと

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 6時50分

高齢者の枕元で、見舞いに来た人が容態を心配するのではなく、遺産相続の相談をしているのは、何ともわびしいものです。

昔からの言い伝えに、興味深い話があります。人間は生まれた瞬間は、本人が泣いて、周囲の人が笑っているが、幸せな人の最後は、本人が笑って、周囲の人が泣いている……というのです。

幸せな人とは、人に優しくしてきた人なのではないかと思っています。

人は誰でも、心や気持ちが満たされていないと、人に優しくすることはできないものです。マスコミが芸能人の不倫を叩いているのを見て、一緒になってバッシングをしているのは、やはり気持ちが満たされていない人たちです。

「不倫はダメ」という正論を振りかざすことで、寂しい自分を慰めようとしても、それで自分が満たされることは永遠にありません。

自分をなぐさめるどころか、気がつけばムダな行動をしている自分を発見して自己嫌悪と向き合うことになり、不機嫌な状態が延々と続くことになります。

自分が満たされていないと感じるならば、他人を攻撃して憂さ晴らしをするのではなく、意識して人に優しく接するように心がけることが大切です。「情けは人の為ならず」という言葉の意味を思い出して、日ごろの言動を客観的に見つめ直すことが、自分の心を満たすことにつながります。

人に優しく、自分にも優しく

優しさには、相手の気持ちを優しくする効果もあります。

親が認知症になって介護をしている人に対して、私たち精神科医は、「叱るよりも、優しくしてあげたほうがトラブルは少ないですよ」とアドバイスしています。

どんなに怒りっぽくなったとしても、優しい言葉をかけてあげると、少なからず穏やかな気持ちになってくれます。

人に優しくすることは、自分のためだけではなく、相手のためでもあるのです。ムリな我慢をせずに、「人に優しく、自分にも優しく」を心がければ、自分の気持ちが満たされて、もっと人に優しくすることができます。

日常的に周囲の人たちと優しさのキャッチボールをしていけば、毎日を前向きな気持ちで過ごすことができます。

そうした繰り返しが、自分の人生を楽しいものにしてくれるのです。

和田 秀樹:精神科医

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください