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エプソン製プロジェクターが狙う新市場の開拓 麻布台ヒルズのアートミュージアムもサポート

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 7時30分

作品の前に立つチームラボの猪子寿之代表(左)とエプソン販売の鈴村文徳社長(記者撮影)

複合施設の「麻布台ヒルズ」(東京都港区)で2月9日にオープンした、デジタルアートミュージアム「森ビル デジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」。

【写真】チームラボのデジタルアート作品。プログラムによってつねに描かれ続けているために二度と同じ作品を観ることはできない

2018年から2022年まではお台場で営業しており、初年度に約230万人が来館した。その施設が移転し、リニューアルオープンした。

ソフトウェア制作などを手がける会社ながら光を使ったデジタルアート作品で世界的に有名なチームラボが、幻想的な空間とアート作品を作り出している。その創作をサポートするのが、セイコーエプソン(以下、エプソン)の提供する約560台のプロジェクターと約540台の高性能パソコンだ。

ミュージアム内には、たくさんのデジタルアート作品がプロジェクターで映し出されている。それらの作品は動いてほかの作品と混ざり合ったり、「人が立つと足元に花が咲く」といったように鑑賞者の動きに反応して姿を変える。

作品はプログラムによってリアルタイムで生成され続けている。そのため二度と同じ状態になることはない。

オフィスや教育現場に代わる市場

エプソンが世界トップ級のシェアを持つプロジェクターは、ディスプレーを用意することなく、大画面の映像・画像を投影できるのが特徴。プレゼンテーションの機会が多いオフィス・会議室、さらには教育現場が伝統的な市場だ。

しかし、これら従来の市場は漸減傾向にあるといわれる。オンライン会議の普及などにより会議のあり方が変わっていること、教育現場ではタブレット端末が普及し投影の必要がなくなっていることなどが主な理由だ。液晶パネルの価格低下も一因として挙げられる。

そこでエプソンが期待をかけるのが、家庭で映画を楽しむといった個人使用と、前述のデジタルアートミュージアムに代表されるようなプロジェクションマッピングなどの空間演出のための使用という、大きく2つの市場だ。

そのうち家庭用プロジェクターは従来、音響機器やスクリーンなども一緒に揃えて本格的に映画を楽しむ、「ガジェット好き」といわれるような層を主要顧客とした製品だった。

しかし、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどの動画サービスが普及し、家で映画を楽しむ機会が増えた。すると、狭い家・部屋でも大画面で映画を観たい、というニーズがアジアの若い世代を中心に生まれた。

10万円以上の製品の販売が増えている

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