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「オードリー」東京ドーム公演に導いた若林の異能 大成功しても残る、売れなかった頃のくすぶり感

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 12時20分

安島:そう。僕らにはバレてる(笑い)。

(中略)

安島:若林くんはようやく「世の中には人付き合いのルールがある」ということには気づいたと思うんです。でも、身についてはいない。

山里:ルールは手に入れたけど、心の底は成長していない。成長する気もないだろうし。

安島:そう、気がないよね。

山里:たぶん、「今の俺の発言ってダメなんだな。やっぱり世の中の人ってこういう発言嫌うよな。でもまあこういうときはこうしたらいいんだろ」っていう処理速度だけがすごい上がってる。それが若林くんの現状です。

(『ダ・ヴィンチ』2013年6月号/メディアファクトリー)

さすがに仕事で付き合いの深い2人だけあって、話に説得力がある。上辺では社会人らしく振る舞えるようになってきているものの、本質は変わっていないというのだ。

私もその通りだと思う。『オードリーのオールナイトニッポン』でも、いまだに若林らしいとがった部分をチラッとのぞかせるようなトークをすることはあるし、そういうときの彼は抜群に面白い。

にじみ出てくる荒々しい心の声

恐らく、若林の頭の中では、今でも「うるせえよ」とか「ケッ」とか「ふざけんな」とか、そういう荒々しい心の声が鳴り響いている。そして、それがときどきラジオのトークでにじみ出てくる。

若林は、芸人として、タレントとしてこれだけ成功していても、いまだにテレビの中で「どこか居心地悪そうな感じ」を完全には消していない。でも、そこがいい。

前述の山里と安島の対談でも、若林について、山里は「面白くなかったら最低の人間」と言い、安島は「面白くなかったら人間のクズです」と語っていた。これは、遠回しに若林のお笑い能力の高さを賞賛する言葉でもある。

『オードリーのオールナイトニッポン』が根強い人気を博している最大の理由は、若林の「ポップなやさぐれ芸」が、多くの人の心に刺さる普遍的な魅力を備えているからなのだ。

ラリー遠田:作家・ライター、お笑い評論家

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