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日本人が知らない「激安お酒」のヤバすぎる裏側 「合成酒」「醸造アルコール」の中身は…?

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 12時0分

「『醸造アルコール』で薄める」というとあまりイメージが良くないかもしれませんが、醸造アルコールは適度に使えば品質が安定し、味がクリアになり、後味にキレが出るなどの効果があります。

人によっては「醸造アルコール」を添加した日本酒のほうがむしろ好きという人もいますし、私も、ある銘柄の「特別本醸酒」が好きですが、これも「醸造アルコール」を添加したものです。

要は、「醸造アルコール」も使い方次第で、たんに「カサ増し」のために使われることで、日本酒本来の味が損なわれることが問題なのです。

「激安酒の正体」とは…

「醸造アルコール」を添加することで、コストダウンが可能ですが、これよりもっと安い酒があります。それは「合成酒」です。

「合成酒」は、「醸造用アルコール」に先の要領で「糖類」や「添加物」を混ぜて、酒らしい味に仕立てたものです。

添加物は20種類も使われているものもあります。風味付けのために醸造酒を少し添加することもあります。

酒店やスーパーで並んでいる一番安いお酒がこれです。

これもラベルを見ればわかります。「醸造アルコール」が最初に来ているからです。

【「合成清酒」の原材料例】
醸造アルコール、米、米麹、糖類、小麦たんぱく分解物、調味料(アミノ酸等)、酸味料

この「合成酒」は「激安の料理酒やみりん」にも使われています。

昔は、「合成酒」は一口飲んだだけでそれとわかったものですが、最近では本当に技術が進み、上手に作られていると思います。

とはいえ、「合成酒」は「合成酒」であって、純米酒には遠く及びません。なにより糖類や添加物が入った飲料をたくさん飲むのは、私は気が進みません。

しかし、「『合成酒』の値段の安さは、ほかに変えられない」という人もいるでしょう。

私が言いたいのは「ただ安いから」というだけで飛びつくのではなく、何が入っているのか、何が使われているのか「裏側」をきちんと知ったうえで選んでほしいということです。

ぜひ「値段」だけを見て選ぶのではなく、そして「ブーム」や「目新しさ」にとらわれずに、「自分の舌でおいしいと思う日本酒」を選び、上手に愉しんでほしい、と思います。

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どれも簡単にできるものばかりです。

日本酒の味を引き立てるのは「おいしいおつまみ」です。ぜひ作って、おいしい日本酒とともに召し上がっていただきたいと思います。

次回はよく混同されている「純米酒」「吟醸」の違いについて述べていきたいと思います。

安部 司:『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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