1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

紫式部と藤原道長は「恋愛関係」にあったのか 歴史学者や作家たちの見解を通して分析する

東洋経済オンライン / 2024年2月17日 12時30分

また式部と、式部と同室だった小少将の君に対し、道長は「お互いに相手の知らない男が逢瀬に来たらどうする?」とまたもやセクハラ発言をします。

式部は道長にどう答えたのかはわかりませんが、日記には「私たちは2人とも、秘密で恋人を作るような水臭いことはないから安心よ」との想いが記されています。

戸叩き事件以降、道長が描写されているのは、これらの光景です。道長と式部の間に何らかの進展があったようには見えません。

式部は日記を読み解けばわかるように、どちらかと言えば消極的な女性です。色恋に生きるというタイプではありません。

ガードが固いといってよいでしょう。賑やか好きの清少納言なら、戸を開けたかもしれませんが、前述のように、式部は戸を開けずに怖がって、部屋で震えていたのです。私は道長と式部の間に恋愛関係はなかったと推測します。

(主要参考・引用文献一覧)
・角田文衞「道長と紫式部」(『古代文化』第14巻3・4号、1965、のち角田文衞著作集7『紫式部の世界』法蔵館、1984年に収録)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・円地文子『源氏物語私見』(新潮社、1974)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・丸谷才一『ゴシップ的日本語論』(文藝春秋、2004)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください