「コロナ禍→YouTube5500万再生」歌手、驚く正体 野田愛実「ピンチをチャンスに変えた」大胆戦略
東洋経済オンライン / 2024年2月18日 12時1分
今、YouTube上には数えきれないほどのカバー曲がアップされている。プロのシンガーやインフルエンサーなど様々な人たちが名曲を歌い、動画を流している。
俗に「歌ってみた」などと言われるカバー動画であるが、そのジャンルにおいてコロナ禍の間に日本でトップクラスに近い再生回数を誇ったのが、シンガーソングライター野田愛実の動画だ。
薄暗い部屋にプロジェクターを投影し歌い上げるその姿は、大きな反響を呼んだ。
この手法もさることながら彼女の歌声を聴いた人たちは驚愕した。なぜ今まで知らなかったのかと。YouTubeの動画をきっかけに大きくブレイクした野田愛実に迫る。
*この記事の前半:「宝石のような歌声」野田愛実の知られざる半生
コロナ禍をチャンスに変えたアーティスト
コロナ禍は世の中の在り方を大きく変えた。とりわけ自粛期間中にライブ活動の制限を余儀なくされたアーティストたちは、それぞれ空白の時を作らぬように取り組んできた。
【写真で見る】「まるで"宝石"のような歌声」と話題のシンガーソングライター野田愛実さん、その素顔
シンガーソングライター野田愛実は、そんなコロナ禍の状況をチャンスに変え、自らのアーティスト人生を激変させた一人だ。
「最初のステイホームの期間は本当に何もしていなかったし、私は一体何者なんだろうと思って。シンガーソングライターと言っているけど、それで食べられているわけでもないし、ライブに出るわけでもない。それで、このままではいけないと思って始めたのがYouTubeでした」
YouTubeにカバー曲の動画を投稿する。自らの存在意義を問うほどに悩みに悩んだ末の苦肉の策だった。
だが、それが大きくバズり、動画の総再生回数は2024年2月時点で5500万再生を超えるなど日本を代表するカバー曲をメインとする動画チャンネルとなった。
なぜこれほどまでに大きくバズり、視聴者の心をつかんだのか。
そこにはシンガーソングライターとしての確固たる信念が存在した。
「コロナ禍の前は下北沢のライブハウスでずっと歌ってました。当時はお客さんも2~3人とか全然いなかったんですけど、ライブすることでシンガーソングライターをやってるという気持ちを作っていたというか……。それもほとんど(チケットノルマの)お金を払って出ていたんですけどね。今思えば大変な時期でしたね」
2012年、シンガーソングライター野田愛実は、下北沢の小さなライブハウスを拠点に歌っていた。地元、三重県松阪市から大学進学のために上京。大学では建築学を専攻し、建築サークルに所属。
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