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紫式部が主人公の光源氏に託した"恋愛のかたち" 「通い婚」が普通だった平安時代の色恋を解説

東洋経済オンライン / 2024年2月18日 14時0分

道長が送った文を受け取ったまひろ(写真:NHK公式サイトより引用)

2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で注目される紫式部や『源氏物語』。1000年以上も前に日本の一女性が書いた「光源氏の物語」は、書かれた当初から書写されつづけ、絵巻物にもなって、ひさしく伝えられてきました。

そんな、源氏物語にはたくさんの謎があり、作者の紫式部にも、ずいぶんと謎めいたところがあるようです。作家・岳真也さんの著書『紫式部の言い分』から、紫式部が生きた時代の恋愛に迫ってみましょう。

平安朝は「不倫は文化」だった?

「不倫は文化」というのは、紫式部の生きた平安朝にあっては、けっこうなトレンドだったのではないでしょうか。

【写真で見る】平安時代に貴族たちが楽しんだ「貝合わせ」。『源氏物語』を題材にした絵が主流だったという

親王兄弟ふたりと関係し、つぎからつぎへと男を変えた和泉式部がそうですし、『源氏物語』の主人公、光源氏など、初恋の相手が実父の妻――継母の藤壺で、くりかえし閨(ねや)をともにし、子ども(後の冷泉帝。表向きの父は桐壺帝)までつくってしまう始末。この不倫は、緊張感をはらむ秘密の関係でした。

ほかにも『源氏物語』には、不倫の話がいくつも出てきます。

源氏と人妻の空蝉(うつせみ)との関係、また朧月夜(おぼろづきよ)は源氏の兄・東宮(朱雀帝)の婚約者でしたから、これも不倫のようなものでしょう。

「若菜(わかな)下」の帖には、じつに、光源氏の妻がほかの男性と契った話が書かれています。頭の中将の息子・柏木が女三の宮(源氏の妻)と密通し、不義の子(薫)が産まれてしまうのです。何か、光さん、「しっぺ返し」をくらった感じですね。

『源氏物語』には、そうした場面が数多く出てくるわけですが、1000年前の読者もハラハラ、どきどきしながら読んだのだと思います。

「通い婚」というまかふしぎな結婚形態

「通い婚」というのが、そもそも怪しい。まかふしぎな結婚形態です。

極端な話が、週に一度か、月に何度か、通ってくる男が、「じゃあ、またね」と帰ってしまい、別れてすぐに、別の男が通ってくる。そんなこともありうるような……和泉式部の異性との付き合いぶりを見ていると、その可能性はおおいにあったような気がするのです。

また、当時の宮廷に仕えた女房らの多数が、殿中を往き来する男たちと密事を交わしていた。それも1人や2人ではなく、何人も、と。

要は、「相当に乱れていた」というのです。

識者もその辺りのことは皆、相応に興味を覚えるとみえ、いろいろと指摘しています。

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