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羽田衝突事故、鉄道・バス各社「臨時運転」の舞台裏 運転士手配から関係各所の連絡まで連携プレー

東洋経済オンライン / 2024年2月20日 6時30分

実際どのような要請で、臨時輸送が行われたのか。深夜の日本各地で行われたダイバートに伴う緊急対応について、臨時対応を迅速に行った事業者の中から、数社の交通事業者を取材した。

空港アクセスとしての意識の高さ

まずは京成電鉄。同社は夜中の25時00分に、成田空港発の臨時アクセス特急を運行した。この対応について、京成電鉄・経営統括部の広報・CSR担当にインタビューをすると、「当社から空港を管理・運営するNAA(成田国際空港株式会社)に申し出た」という。「その後の対応はNAAと行った」。

乗務員の手配については、「異常時対応用に予備の乗務員を配置している。今回はその人員を手配した」と話す。予備乗務員の手配が迅速に行われたことで、可能になった。

夜中の25時00分発とした理由は、「成田空港の発着陸が24時までのため、弊社で設定できる最大限の時間を設定した」とのことだった。

もちろん、保守・メンテナンス時間も調整し、同社として最大級の対応を行った、非常にまれなケースだったのであろう。それにしても、緊急事態に京成電鉄のほうから申し出をしたという事実は、「空港アクセスとしての意識の高さ」がにじみ出る。

茨城空港から臨時バスを運行した関東鉄道については、「茨城空港へダイバート中のスカイマーク社から連絡があり、急遽運転士の確保に動き、乗務終了後の運転士に声をかけて、手配を行った」と話した。また、「利用されたお客様やX(旧ツイッター)などから大きな反響があり、弊社公式サイトでも嬉しいお言葉をいただいて恐縮しています」とのこと。

そして、「当社のグループ会社である関鉄グリーンバスとの連携や、地元のほかのバス会社にもスカイマークから連絡があり、みんなで協力して、できたことです」と話した。

東海道新幹線を運行したJR東海についても取材した。沿線の最寄りには名古屋、大阪と各所でダイバートを受けた空港が存在する。衝突事故の影響から、名古屋、大阪方面から東京に向かうためには、東海道新幹線を使うのがいちばん早いと考える人も多いだろう。

「弊社として自主的な判断で、臨時列車を設定いたしました」そう答えてくれたのは、JR東海・東京広報室の担当者だ。

「今回はタイミングが合い、緊急時の対応に関して関係各所の担当者が日頃から考えていたことが可能となった」と言う。

急な臨時列車の設定は「ケースバイケースではあるが、担当する乗務員、使用可能な車両やその車両整備、清掃等に必要な社員の体制の確保などを、早急に関係各所と調整し、20時前には、臨時列車の運転を決定した」と話してくれた。

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