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「沢田研二75歳」変化ではなく進化する男の凄み ツアー千秋楽を改めて見て思うジュリーの魅力

東洋経済オンライン / 2024年2月20日 12時0分

「性格」は思い切った商品内容にあらわれている。なんとコンサート本編がそのまま収録されている「だけ」なのだ。

近年のこの種の映像ソフトはおまけが勝負。メイキング映像やコメンタリーなどがついたりするものだけれど、本作には開演直前から終演までの模様がそのまま入っているだけ。しかもチャプター(切れ目)は第2部とアンコールの開始部にしか入っておらず、曲の頭出しができない。

本編のみで勝負、そして全部そのまま観なさい!というわけだ(早送りや巻き戻しはできる)。「それならメニュー画面も必要ないね」とばかりに、ディスクを挿入するとメニュー画面もなく自動的に再生、開演となる。その飾りのなさ・ぶっきらぼうさにはむしろ拍手をしたくなる。

第1部で早くも事前にアナウンスされていたスペシャル・ゲストの3人=元ザ・タイガースの瞳みのる(ピー、ドラム)、森本太郎(タロー、ギター)、岸部一徳(当時は修三、サリー、ベース)が登場、タイガースのヒットパレードとなる。現在のレギュラーバンド(後述する)に支えられて4人がヒット曲を次々とくりだしていく。途中には長い長い昔話も挟まれるが、そのあまりの居酒屋トークぶりも楽しい。

また、ジュリーはなんと虎の着ぐるみで第1部を通している。違和感が大きいが、ここをスーツでキメると客席も舞台も泣いちゃうからという配慮(?)からかもしれない。現にそんな格好をしていてもジュリー自身が時折こみあげているのがわかる。本当に感無量だったのだろう。

なお、タイガースはもう1人、加橋かつみ(トッポ、ギター&ヴォーカル)を含む5人組。揃わないと「ザ・タイガース」を名乗らないのはファンならばご存知だろう。1982年には加橋の後任だった岸部四郎(シロー、ギター)も含めた5人で活動したが、瞳が芸能界と距離を置いており不参加だったことから、欠席者ありということで「同窓会」と銘打っていた。

タイガース「再結成」ではない

今回も沢田とゲスト3名という表記。トッポがリード・ヴォーカルを担当していた「花の首飾り」もジュリーが歌う形で演奏されたが「ぜひご一緒に歌ってください」と前置きしている。5人揃わなかった無念が伝わる。

そういった繊細な想いを踏みにじるように「タイガース再結成」と無神経に見出しをつける記事・雑誌・新聞、ウェブサイトは信じない方がいい。少なくともジュリー・ファンに向けた記事ではない。

この日は前年から行われていたツアーの最終日。この日に向けて行われたツアーといっていい。MCでも75歳という節目の誕生日、しかも日曜日とあってスケジュールを押さえるのが大変だったことを明かしている。ジュリーの個人事務所社長となった岸部一徳のつてでテレビ朝日が動いて実現にこぎつけたという(ドラマ「相棒」の影響力!)。

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