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ホンダ「WaPOCHI」は令和の「aibo」になるか? AIならぬCI搭載の可愛い相棒が寄り添う世界

東洋経済オンライン / 2024年2月21日 11時30分

WaPOCHI実証試験の場所は、茨城県常総市(じょうそうし)に開業した、複合施設「常総市アグリサイエンスバレー」。ホンダは2022年11月から市内の専用施設で技術実証実験を行ってきたが、2024年2月からは常総市アグリサイエンスバレー内で一般向けの実証実験を始める。

まずは、イチゴ狩りが楽しめる観光農園から実証をはじめ、2030年の社会実装に向けて利用エリアを段階的に拡大していく予定だ。

すでに「人とロボットの共存」はできている

こうした、いわゆる「サービスロボット」は、屋内の警備作業や清掃作業、また飲食店での配膳用として普及している。

いずれも自動走行しているが、走行速度が低いことから公道を走行するロボットや自動運転車と比べると、周囲の状況を把握するためのセンサーの種類や数は少ない。それでも、目立った事故は報告されておらず、すでに人とサービスロボットが共存できているといえる。

そのほか、国がいう「歩道走行ロボット」は、実用化に向けて多様な事業者が市場参入を試みているところだ。2023年4月1日に自動走行で商品や食品をデリバリーする遠隔操作型小型車について、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)が施工されたためである。

WaPOCHIは、こうしたサービスロボットの進化系ともいえる存在で、人と自然言語によるコミュニケーションができるというものだ。

実際にWaPOCHIと接してみると、便利さや将来性を感じる一方で、今後の課題も見えてきた。もっとも強く感じたのは、実用化にあたって「同じ空間で何台のWaPOCHIが行き交うことがベターか?」という点だ。

技術的には相当数が共存できるとしても、「WaPOCHIだらけ」になってしまうと場の雰囲気が人間社会とは乖離してしまうように、人は感じるのではないだろうか。

もちろん、将来的にはWaPOCHIが小型化される可能性はあるとしても、ワンちゃんや猫ちゃんたちとWaPOCHIが同じように動き回る環境が、果たして人にとって幸せなのかは確信できない。

また、サービスモデルとしては施設内での予約制の時間貸も考えられるだろうが、家族の一員として自宅にWaPOCHIがいるようになると、外出時にいつでもどこでもWaPOCHIと過ごしたくなるかもしれない。

ホンダとしては、そうした来るべき社会の現実について、これから常総市で行う長期の実証実験の結果を踏まえ、現実的なサービスモデルを構築することになるだろう。 

小さな乗り物「CiKoMa:サイコマ」

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