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ホンダ「WaPOCHI」は令和の「aibo」になるか? AIならぬCI搭載の可愛い相棒が寄り添う世界

東洋経済オンライン / 2024年2月21日 11時30分

WaPOCHIと同時に、ホンダが常総市アグリサイエンスバレーで長期実証試験を行うのが、自動走行する搭乗型マイクロモビリティの「CiKoMa(サイコマ)」だ。

CiKoMAは、ホンダのCI技術を使った小型モビリティの総称で、今回試乗体験したのは、前後2列4人乗りのゴルフカートのような乗り物だった。

2024年夏にはジャパンモビリティショー2023でホンダが出展した2人乗りの「CI-MEV」も導入して、実証実験を行う予定となっている。

そのほか、1人乗りを含めて、ユースケースに応じてさまざまなボディ形状をホンダは考案中。いずれも、ホンダが開発して、ヤマハなど2輪車メーカー各社の連携で普及を目指す、脱着式小型バッテリー「モバイルパワーパック(MPP)」を使うBEV(バッテリー電気自動車)である。

CiKoMaの特徴は、高精度な地図情報なしにカメラとAI技術を組み合わせて自動走行を実現している点にある。カメラをベースとして高速に空間を認識することと、認識による行動計画を連携させて移動する仕組みだ。

ホンダは、低速走行では高精度な地図や衛星測位システムを併用しなくても、安全な自動運転が可能だとする。

実証実験では、スマートウォッチのように腕につけるタイプの音声コマンダー、または車内のタッチパネルでの音声認識によって、ユーザーはCiKoMaに要望を伝える。

途中で行く場所や迎えにきてほしい場所を変更しても、CiKoMaはユーザーとコミュニケーションを取りながら、臨機応変に対応してくれる。例えば、カフェ前にきてほしいと要望していたが、その少し前で手を振って「ここで止まって、乗せて」と伝えるとそこに停車する、といったぐあいだ。

常総市アグリサイエンスバレー内では、安全監視員が同乗する自動運転レベル2の走行が行われており、すでに2023年10月から歩行者・自転車との混合空間である「歩車共存エリア」での自動運転と、一般車両との譲り合いによる交差点の自動通過を実現している。

2024年2月からは、常総市アグリサイエンスバレー内の約850mの区間で、来場者の乗車体験も開始した。走行速度は、「電動車いす」や歩道走行が可能な電動キックボードと同じ最大時速6kmだ。

今後、2024年中には遠隔監視システムを確立し、関係省庁との許可交渉を経て、2025年中に「自動運転レベル4相当の無人自動走行」の実現を目指す。

気になるのは、道路交通法や道路運送車両法などへの対応、また規格の標準化などの点だが、現時点でホンダ関係者は「常総市を含めて、関係各省庁とは今後も密に意見交換を重ねていく」と言うにとどめた。また、工場内の作業用や農業用などでの応用も考えられるとしている。

人々の生活に寄り添うロボットの可能性

ホンダは、乗用車の「レジェンド」で市販化した、高精度3次元地図を使う自動運転レベル3や、アメリカのベンチャー企業、クルーズとの共同開発で2026年から都内で実証試験を行う予定の「自動運転レベル4ロボタクシー」に加えて、WaPOCHIとCiKoMaを用いた低速移動型モビリティが社会環境に応じて共存する世界感を持っている。

人々の生活に寄り添う可能性がある、ホンダのマイクロモビリティたちの行く末を今後も暖かく見守っていきたい。

桃田 健史:ジャーナリスト

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