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迷路を夢中で解く子どもの「地頭がよくなる」秘密 落ち着きのない子も算数嫌いも変える"遊び"

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 11時30分

これは算数でいうところの「場合分け」が感覚的にわかり、補助線1本が思いつかないと解けない中学受験の図形問題を解く際にも大いに役立つ「数理センス」が磨かれてきた証です。

同時に、試行錯誤と推論を重ね、たった一つのゴールへの道を見つけることは、論理的思考を重ねて答えを導き出す、「詰める力」の成長につながります。

この2つの力がつくことで、頭のよさの根幹を成す算数・数学という学問での地力を養えるわけです。

算数好きが備える数理センスが自然に磨かれる

一般的なめいろでも上記のような力が磨かれていきますが、そこにパズル要素や学習要素を加えていくと、同時に脳のいくつもの領域を刺激しつつ数理センスが磨かれるようになります。付与されたルールを守りつつめいろの構造を見抜くうちに、集中して深く考える力がつくのです。

めいろは未就学児でも楽しめる「学びになる遊び」ですが、せっかく買ったんだからとばかりに「頭がよくなるよ!」とか「おもしろいからやってごらん!」などと言って渡すことだけは、どうかおやめください。

楽しいはずのめいろが、こなすだけの「作業」になってしまいかねないからです。どんなことでも自ら楽しんでいるときの集中力は凄まじく、没頭している間はあらゆる能力が伸びるといっても過言ではありません。

意欲を呼ぶ「渡し方」とは

では、どのように渡せばいいのでしょうか。いちばんいいのは「さりげなく隠しておく」ことです。

隠すといっても、見つけられなければ意味がありません。リビングの別の本の下などに表紙がチラッと見えるようにする程度の隠し方で十分です。

そして、子どもが見つけるまで我慢しましょう。

新しいものに敏感ですから必ず気づきます。そうして子どもが自分で「発見」すると、好奇心のエンジンがかかるのです。

買ってもらった高価なおもちゃより、自分で拾ってきたどんぐりや石などに夢中になった記憶はありませんか。それと同じです。大人が熱心にすすめたり渡したりするほど子どもが興味を失うことは、往々にしてあります。

発見させて興味を抱かせたら、放っておきましょう。

何か聞かれたら、それにだけ答えればOKです。

「こうすれば簡単だよ」とか「なんでこんなやり方するの。こっちのほうが早いでしょ」などという「指導」が始まると、子どもはげんなりしていくばかりです。大人なら「やらされ仕事」でも頑張れますが、幼い子どもには無理というもの。もちろん脳も活性化しません。

子どもが「できた!」と教えてくれたら、その成功体験に思いきり共感してあげるのが、大人にできる最高の仕事です。

ぜひ、お子さんを信じ、お子さんが自ら選んで試行錯誤する姿を誇らしげに眺めてください。こで幾多の経験を積みながら成功体験を得ることこそが、「地頭のいい子になってほしい」という親の願いを叶える、いちばんの近道なのですから。

高濱 正伸:花まる学習会代表

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