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名鉄三河線「海線」廃止区間、車社会でどう変貌? 代替バスの運転経路とは異なる人の流れも

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 6時30分

流出先として、もっとも数が多いのは隣の安城市だ。次いで碧南市、岡崎市となっている。交通手段は、圧倒的に自家用車であろう。

碧南駅は市の南部に位置する。市役所などは碧南中央駅のほうが近い。知立―碧南間は普通のみ2両編成の15分間隔運転が基本だ。ラッシュ時は4両に増結され、比較的輸送量は多い。それに対し廃止区間の末期は、1時間に1本運転のレールバスが基本となっていて、碧南で輸送量の大きな段差が生じていた。

代替バスは「ふれんどバス」との愛称が付けられており、おおむね鉄道時代にならったダイヤを実施している。このバスは、碧南市と西尾市で結成された運行協議会による運行だ。名鉄バスに委託されており、一般的な路線バスの車両が充当されるため、一見、コミュニティバスには見えない。車内放送でも「名鉄バスふれんどバス線」と案内される。

バスは高校まで直通

運行区間は碧南側で碧南高校、吉良吉田側で吉良高校まで、廃止区間を越えて延長されており、通学の便が図られている。運賃は大人200円、小児100円均一で、manacaやTOICAなど、全国相互利用サービス対応の交通系ICカードが利用できる。

2020年にICカードが導入される前は、6歳から17歳(高校生)までは小児扱いと、独特な運賃区分になっており、やはり高校生の通学輸送に最大限配慮されていた。現在は小学生が小児、中学生以上は大人と一般的な区分だ。

2024年1月26日に訪問した時には碧南駅前は駅前広場の整備工事中。ふれんどバスの乗り場も仮設停留所へ移っていたが、2月10日に三河線の改札口の向かいに戻された。周囲も再開発の途上にある。駅自体は2019年に改築されており、隣接して碧南市が建設した電車・バスの待合室がある。

ふれんどバスの朝の碧南高校行きを観察してみると、やはり高校生の利用が目立つが、駅で下車して電車に乗り継ぐ流れもある。ふれんどバス沿線には途中の一色にも高校があり、吉良高校行きにも高校生が乗り込む。典型的なローカルバスの利用客層だ。

碧南駅9時発の吉良吉田行きで、まず平坂(へいさか)を目指す。廃止区間で唯一、列車交換が可能だった三河平坂駅があったところだ。乗客は3、4人。この時間だと高校生はいない。

碧南市内を直進するバス

三河線は碧南市内をS字状に走っていたが、バスは市街地を駅からほぼまっすぐ進み、すぐに棚尾橋で矢作川を渡る。廃止された玉津浦、三河旭の両駅に対しては、ふれんどバスはフォローしていない形だが、碧南市の無料コミュニティバス「くるくるバス」がそれを補っている。

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