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北米で快進撃「ゴジラ-1.0」ヒットの"4つのカギ" TOHO Global社長の植田浩史氏にインタビュー

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 12時20分

今回の『ゴジラ-1.0』の北米ヒットが日本映画界にとって意義があるのは、日本の映画会社である東宝が国内も北米もワンストップで配給を手がけて、大きなヒットにつなげた点だ。

『ゴジラ-1.0』は東宝単独出資であり、北米配給権を自社で保有していた。今後は、製作委員会出資の作品でも、東宝が国内配給だけでなく、海外配給の窓口を担う作品が増えていくかもしれない。

それによる日本映画のメリットは大きい。市場を国内だけでなく、国内と北米をひとつとして見ることができるようになれば、そのぶん市場規模が大きくなり、制作予算も増える。

そうなると、企画を含めた作品づくりそのものが従来と変わってくる。そしてその先には、全世界を市場に見据えた作品づくりがデフォルトになる、日本映画の未来があるかもしれない。

そうして見ると、東宝の本格的な自社海外配給のスタートは、日本映画界にとっての1つの歴史の転換点と言えるかもしれない。これからは、東宝が海外配給を請け負う独立系映画会社の作品も出てくる可能性もあるだろう。

「実際にいろいろな意味でのお声がけをいただいています。今回『ゴジラ-1.0』で起きたことは、まさに日本映画界にとって、北米市場がいままでほど遠くないという感覚を持っていただくのに、ちょうどいいと思っています。東宝としてそういう強みをこれから発揮させていくことになります。そういうお仕事をさせていただける機会があれば、どんどん広げていきたいです」

さらに、マーチャンダイジングなど配給だけでない北米展開が可能になる点もTOHO Globalの強みになる。

「ファンを大切にすることが、いろいろな形で最終的にビジネスになって、リターンにつながります。そういう意味では、配給に限らず、eコマースやファンコミュニティーなども含めてファン層を拡大していくことに視点を置いて展開していきます。それが作品価値の最大化につながり、お互いにとってのメリットになります」

アジアや欧米など世界進出も視野に

一方、現地での実業務を担う海外オフィスは、現在はロサンゼルスにあるToho International, Inc.の1カ所のみとなり、自社配給も北米のみ。今後は、アジア、欧米など世界進出を見据えている。

「現地にオフィスを持つことには多くのメリットがあります。まず情報の鮮度や精度が格段に上がります。

それによってスピーディにアクションを起こすことが可能になり、現地の関係会社としっかりと信頼関係を築くことで、日本の考え方や事情も伝わりやすくなります。そしてなにより、自社配給であれば興収からの利益が大きい。これから全世界で地域ごとにTOHO Globalの地域統括会社を立てていく戦略があります」

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