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「ストロング系」愛飲者たちに起きていた大変化 愛飲していたシニア層でも中アルにシフト

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 7時0分

加えて、家で過ごす時間の増加とともに家事の負担が増えたことも影響したようだ。お酒を飲んだ後も家事をしなければならないこともあり、あまり酔いたくないという心理があったのだろう。

低アル好きの20~30代でも人気だった「ストロング系」

アルコールの消費量はシニア層が多いとされているが、年代ごとに購入するチューハイの種類は異なるのだろうか。全国15〜69歳の男女約5万人のモニターから買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、飲酒が認められている20歳以上に絞って、チューハイの度数別・購入金額構成比の推移を年代別に見てみよう。

20~30代の若年層では、2013年に1~4%台の低アルの構成比が37.1%と最も大きかった。他の年代よりもお酒を飲む量が少ない若年層にとって、飲みやすい低アルが人気だったことが見て取れる。

高アルの構成比は2017年の39.7%まで増加し、中アル・低アルの構成比を上回っていた。高アルの構成比は2018年から減少に転じ、代わりに伸びてきたのが中アルだ。中アルの構成比は2020年から高アルを上回っており、2022年以降は半分以上を占めている。

低アルの構成比は2013年から減少傾向にあり、2023年には2013年の半分以下の17.0%にまで減少した。これは、低アルの代わりに中アルを飲むようになった人が増えたことのほか、あえてお酒を飲まずにノンアルコール飲料を選ぶ人が増えたこともあるのだろう。(参考:『「ノンアル飲料」をあえて選ぶ20~30代の飲酒観』)

「ストロング系」好きシニアの消費の変遷は?

40~50代の中年層では、中アルの構成比が2013年には40.8%と最も大きかった。若年層よりもお酒を飲む量が多いことから、高アルが人気となる前は、低アルではなく中アルが中心だったようだ。

高アルの構成比は2018年に44.6%まで増加し、中アル・低アルを上回っていたが、2019年から減少傾向となる。中アルの構成比が2020年から高アルを上回っており、2021年以降は半分以上を占めている。以前から中アルを飲んでいた中年層では、若年層よりも中アルの伸長が早かったことがうかがえる。

60代のシニア層では、中アルの構成比が2013年に42.2%と最も大きかったのは、中年層と同様である。特徴的なのは、2019年に高アルの構成比が半分を超えていることだ。若年層や中年層と比べてお酒を飲む量が多いシニア層では、酔いやすい高アルがとりわけ人気となっていた。それでも、高アルの構成比は2021年には半分を下回り、伸長してきた中アルの構成比が2023年には半分を超えている。シニア層でも、高アルから中アルへとシフトしてきているようだ。

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