1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

ヨギボー「店長が盗撮で逮捕」も対応に評価のワケ 暴露受けるも迅速な消火、細部に工夫が凝らされた

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 18時30分

では、今回の「Yogibo会長謝罪が評価される理由」はどこにあるのか。ネットメディア編集者としての経験から、筆者は大きくわけて、4つの要素があると考えている。

(1)インフルエンサー投稿に直接反応
(2)「先んじてお詫び」の予防線
(3)現場スタッフに敬意を表する
(4)「企業」と「個人」の使い分け

それぞれの要素を見ていこう。

(1)インフルエンサー投稿に直接反応

まずは(1)インフルエンサー投稿に直接反応、であるが、こうした不祥事がSNS上で拡散された際、話題になっている投稿そのものを引用するケースはあまり見られない。多くは、SNSで拡散されているのを見た各種メディアが取材を行い、それに回答する形で、企業なり、そのトップの公式見解が示される。

しかし今回は、「ガレソさんが投稿されました通り」と、発火点がどこであるかを具体的に明示したうえで、迅速な消火を試みているのが特徴的だ。

炎上を受けての公式リリースでは、「現在報じられている件につきまして」のように、実際にどのような問題が報じられているのか、いまいちピンとこない発表文も少なくない。そこで言うと、引用の場合は「疑惑」を包み隠さず伝えることになる。この姿勢が実直な対応だ、と受け取られたとしてもおかしくない。

プレスリリースを待たずに、会長みずからSNS投稿

(2)「先んじてお詫び」の予防線

続く(2)「先んじてお詫び」の予防線、であるが、これは炎上対応として、非常に技術点が高いと感じた。

ガレソ氏の投稿は夜だったため、企業組織としては動きにくい。しかし早急な対応をとるとなると、夜のうちにトップの判断で、なんらかの声明を出すのが効果的だ。

一方で、SNS上で代表者個人が反応するとなると、「まずプレスリリースを出せよ」とのツッコミが入りかねない。

これを木村氏は、投稿の結びで「会社発表前ですが代表取締役会長として先んじてお詫びさせて頂きました」との予防線を張ることで回避した。

この一文で「追って企業としても発表する」と宣言することで、情報の受け手も「ダンマリで逃げるわけではない」と、それなりの理解を示してくれるのだ。

現場への敬意と、「企業」「個人」の使い分けも

(3)現場スタッフに敬意を表する

木村氏の投稿では、経緯や再発防止策の説明のみならず「渋谷宮下公園前店で働くYogiboキャスト達の強さと勇気に深く敬意を表します」と、(3)現場スタッフに敬意を表することも行われている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください