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ヨギボー「店長が盗撮で逮捕」も対応に評価のワケ 暴露受けるも迅速な消火、細部に工夫が凝らされた

東洋経済オンライン / 2024年2月22日 18時30分

被害者も加害者も内部にいるため、消費者としては「どれだけ従業員を守れるか」に注目が集まるが、誠実な姿勢をにじみ出させる一文と言えるだろう。

(4)「企業」と「個人」の使い分け

そして最後が、(4)「企業」と「個人」の使い分けだ。木村氏は投稿で、元店長との面識はあったとしつつ、「まさかこのように下劣な犯罪行為をする人物とは思っておらず、名前を聞いた際は大変ショックを受けました」と、個人としての受け止めを示している。

その一方で「Yogibo本体と致しましてもこのような犯罪行為は絶対に許しません」との記述もある。どの立場からの言葉かを明示して、「客観的事実の説明」と「トップとしての思い」を交通整理することにより、受け手の理解はより進んだのではないか。

プレスリリースを待たずに、会長みずからSNS投稿ができた理由としては、ひとえに「上場企業ではない」ことにあるだろう。内容によっては、株価への影響も考えられるため、いくら代表取締役といえども、発表には慎重な姿勢が求められる。

非上場であることに加えて、自社で完結できることも大きい。もともと、Yogiboそのものはアメリカ発祥で、木村氏が代表のウェブシャーク社(現在のYogibo社)は日本総代理店といった関係性だった。しかし2021年末、アメリカの本社をウェブシャークが買収し、日本資本となっている。

いまなお、国内代理店のままだったら、今回のような対応はできただろうか。

ブランド商売である以上、本国との交渉に時間が割かれ、炎上から発表まで時間がかかった可能性もあるだろう。

炎上前に「先んじてお詫び」の選択肢もあったのでは

さて、ここまで「Yogibo会長謝罪が評価される理由」について分析してきたが、手放しで称賛するのも考えものだ。多少うがった見方ではあるが、「本当に迅速な対応だったのか」という問いも立てられるからだ。

Yogibo社の発表によると、逮捕を受けて、従業員を解雇したのは昨年12月。処分から2カ月半たって、インフルエンサーによる「暴露」を受け、経緯説明と謝罪に至る——。という時系列のみを見れば、もう少しタイムラグを短くする余地もあったのではと指摘されてもおかしくない。

また、ガレソ氏の投稿では、店長と別店舗の店長によるLINEのやりとりも紹介されているが、現状これについて、木村氏やYogibo社からの見解は示されていない。

外部の指摘を受けるまでもなく、みずから進んで不祥事を明かすのは、インテリア家具などのイメージ商売において、なるべく避けたいのはわかる。

ただ、どこかに「疑念」が挟まる可能性を考えると、少し水を差すようであるが、炎上より前に「先んじてお詫び」する選択肢もあったのでは、と感じるのである。

城戸 譲:ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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