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WRC6連覇の伝説を残した「ランチアの雄」デルタ モータースポーツの活躍で根強いファンを獲得

東洋経済オンライン / 2024年2月24日 11時30分

ランチアは1960年代からラリー活動に熱心で、「フルビアクーペHF」(1965年)をはじめ、「ストラトスHF」(1973年)や「ラリー037」(1982年)で好成績をおさめてきた。

車名に出てくる「HF」は、オーディオファンならおなじみ「ハイフィデリティ(ハイファイ)」の意。オーディオの世界では高忠実度などと言われるが、ランチアではドライバーの意のままに忠実に走る(高レスポンス)マシンとして、モータースポーツでも使える高性能車を意味している。

インテグラーレHFの登場は、1987年。開発の目的は、ずばりWRCでの優勝を狙うこと。1986年に実戦投入され、1987年にマニュファクチャラーとドライバー、2つの選手権を獲得したデルタHF 4WDをさらに高性能化したモデルだった。

はたして、デルタHF 4WDと、1988年からのデルタHFインテグラーレは、世界ラリー選手権(WRC)において、1987年から1989年まで3回のドライバー選手権、1987年から1992年まで連続して6回のマニュファクチャラー選手権とドライバー選手権を獲得したのである。

進化を重ね「エボルツィオーネ2」へ

1987年に一般向けに発売されたデルタHFインテグラーレ。1986年には「デルタHFインテグラーレ16V」、1991年には「デルタHFインテグラーレ16Vエボルツィオーネ」、1993年には「デルタHFインテグラーレ16Vエボルツィオーネ2」へと“進化”していった。

いずれも、中古市場での人気は今も非常に高い。深いエアダム、ブリスターフェンダー、リアスポイラー、大径ホイール、それにラリーテイストむんむんのインテリア……と、パーパスビルトな雰囲気は、ほかに代えがたいものがあるからだろう。

「このクルマはホモロゲーション(ラリー出走資格)モデルなので、3万キロもてばよい」。かつてランチアの技術者は、HFインテグラーレのビルトクオリティについて、そう語っていた。

「3万キロ」を超えても高い人気を維持し続けるデルタHFインテグラーレ。ランチアというブランドはこのところ風前の灯火だったが、スポーティなBEV(バッテリー駆動EV)ブランドとしてのリバイバルが画策されている模様で、さきごろ新型「イプシロン」が発表された。

モータースポーツでの勝利を目指しての投資は、当時かなり高くついたんじゃないかと思うけれど、このように見返りもまた大きかったというべきだろう。ここが、自動車メーカーがモータースポーツ活動に熱心な理由なのだ。

小川 フミオ:モータージャーナリスト

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