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入れ墨の「彫り師」と結婚した39歳彼女の"幸福感" 「見えない階層」を超えた2人のリアルな生活

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 13時30分

早くも息が合ったところを見せつけてくれる2人だが、そもそも朋美さんはどんな経緯で彼に興味を持ったのか。入れ墨は怖いという感覚はなかったのだろうか。

タトゥーはキレイな芸術

「子どもの頃に両親が離婚して、母と姉との3人で東京で暮らしていました。あの頃の母は何も言わなかったので、私は自由になってしまってヤンチャをしていたんです。女子校に通っていましたが、夜遊びばかり。お酒もたばこも覚えて、タトゥーっていいなと憧れのような気持ちがありました」

短大を卒業後に大手予備校に就職した朋美さん。堅めの職場での忙しい日々でヤンチャな過去は忘れ去ったが、入れ墨やアニメを含むアートへの関心は消えなかった。

「タトゥーには怖さではなくキレイな芸術だという感覚があります」

そんな朋美さんは一馬さんと知り会ったときも結婚願望は薄かったと明かす。好奇心は強いけれど人見知りなので、一人で過ごすことのほうが楽だと感じていたからだ。転職して10年以上が経つ勤務先を辞める気もない。

「30歳過ぎまで長く付き合っていた人がいました。私よりも10歳以上年上で、結婚して子どもも欲しがっていましたが、同棲しても家事を一切やらない人だったんです。私も仕事が忙しかったり体調を崩したりすることもあるので、この人の人生を背負うのは重すぎると思って別れました」

一人好きとは言え、孤立はしたくない。いろんな人と会ってネガティブ思考の自分を変えたいと思っていたときに一馬さんの記事を見つけた。結婚願望は薄くて入れ墨のほうに興味があることも正直に書いたところ、お見合いOKの短い返事が来た。入れ墨師として「家族を食わせていく」自信がようやくついたという一馬さんは来るもの拒まずの姿勢だったと淡々と振り返る。

「何事もある程度は進んでみないとわからないですからね」

そんな一馬さんは2回目のデートでマリア像を紙に描いて朋美さんにプレゼント。アート好きの朋美さんはプロの仕事に大いに感激した。

「ちゃんと薄紙に包んで持ってきてくれたんです。今でも家に飾ってあります。私は人から何かを作ってもらった経験がなかったのでひどく感動してしまって……。もしかしてこの人と結婚するかもと感じました。何度会っても居心地が良くて、そのうちに入れ墨への興味がきっかけだったのも忘れるほどでした」

出会ってから2カ月後には2人は真剣交際を始める。しかし、それからはケンカが絶えなかったらしい。原因は意外にも一馬さんが「会う時間が少ない!」といら立ったことだ。

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