中国EV2位「広汽アイオン」がタイ工場の建設開始 輸出開始から半年も経たずに現地生産を決断
東洋経済オンライン / 2024年2月27日 18時0分
中国のEV(電気自動車)メーカーの広汽埃安(広汽アイオン)は1月31日、同社初の海外生産拠点となるタイ工場の建設を開始したと発表した。総額23億バーツ(約95億円)を投じて、年間生産能力5万台の工場を建設する。工事は2期に分けて実施し、第1期の完成は2024年7月を予定している。
【写真】広汽アイオンはタイ政府の優遇措置の適用を受けるため、現地生産をスピード決断した。写真はタイ工場の完成予想図(同社の公式SNSアカウントより)
広汽アイオンは、国有自動車大手の広州汽車集団が2017年に設立した「新エネルギー車」専業の新ブランドだ。価格性能比の高さを売り物に急成長しており、2023年は前年の1.8倍の約48万台を販売。中国のEVメーカーのなかで、首位の比亜迪(BYD)に次ぐ第2位に浮上した。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
同社は2023年9月、初の海外進出先としてタイを選択。その第一陣として、SUVタイプの小型EV「アイオンY プラス」の輸出を始めた。それから半年も経たず、早くも現地工場の建設に着手した格好だ。
タイで存在感高める中国勢
タイの自動車市場では近年、EVの販売が急速に伸びている。自動車専門メディアのオートライフ・タイランドによれば、タイ市場における2021年のEV販売台数はわずか1900台だったが、2022年はその5.1倍の9700台に、2023年はさらに7.8倍の7万6000台に増加した。
そんななか、タイ市場で大きく存在感を高めているのが中国メーカーだ。2023年の車種別のEV販売ランキングを見ると、上位10車種はテスラの「モデルY」と「モデル3」を除いてすべて中国ブランドだった。
なかでも好調ぶりが際立つのがBYDだ。同社は「アット3」、「ドルフィン」、「シール」の3車種だけで、2023年のタイEV市場で約4割のシェアを獲得した。
「タイのEV市場は新たな急成長のフェーズに入った。(わが社は)このタイミングを逃さずチャンスをつかみ取りたい」。広汽アイオンの国際事業部長を務める陳頑氏は、2023年11月の広州モーターショーの会期中にそうコメントしていた。
広汽アイオンがタイでの現地生産をスピード決断した背景には、EVの普及と関連産業の誘致を進めるタイ政府の政策がある。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
トヨタ「プリウス“SUV”!?」 24年内に2台発売!? トヨタとBYD共同開発のサメ顔「新型SUV」 中国市場の現状は?
くるまのニュース / 2024年7月5日 12時10分
-
トヨタ「価格競争に突入」で懸念される先行き BYD対抗セールを実施するも厳しい中国事業
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 10時30分
-
ホンダ系部品会社に「リストラの嵐」が吹く根因 ホンダの生産台数は最盛期の6割、中国系開拓へ
東洋経済オンライン / 2024年6月20日 8時30分
-
中国BYD、初の「ピックアップトラック」を海外発表 まずメキシコに投入、ブラジルで現地生産も
東洋経済オンライン / 2024年6月11日 20時0分
-
中国の自動車メーカー5月の業績、新エネ車の販売が新記録を達成
Record China / 2024年6月7日 10時30分
ランキング
-
1「大正製薬の広告炎上?」怒る人は本当に多いのか 企業はネットでの批判に翻弄されるべきではない
東洋経済オンライン / 2024年7月5日 18時40分
-
2不倫相談士は見た 第2回 PTAは不倫の温床? 恋に狂った妻には届かない“ダブル不倫の絶対ルール”とは
マイナビニュース / 2024年7月4日 16時0分
-
3宝くじに当たる「確率」ってどれくらいなの?
オールアバウト / 2024年7月5日 21時40分
-
4ワークマンの「暑い日に履きたい、通気性抜群のシューズ」3選 980円の「ボーンサンダル」はカワイイ&歩きやすい
Fav-Log by ITmedia / 2024年7月4日 5時55分
-
5【早期発見のために】乳がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、胃がん、食道がん…“予兆”の可能性がある「体からの警告」
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 16時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)