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ゼロゼロ融資で増えた「ゾンビ企業」の生存戦略 資金繰りに苦しむ企業はどうすればいいのか

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 7時0分

中小企業サイドとしても、ここから本当の「融資審査」をクリアせねばならない。借りたときには審査対応で大した手間もかからなかったはずなのだから、かなりの労力がかかったとしても生き残るためには仕方がない。

そして、そのためには、金融庁が定めたルールや、金融機関の論理については、よく把握したうえで交渉に臨むべきだ。みずから調べるなり、対応可能な相談者を探すなり、ここは手間を惜しんではいけない。

金融機関を監督する金融庁は、現場の機能不全を避けるため、資金繰りに窮する企業に対する相談対応や条件変更に金融機関が柔軟に対応するよう指導が始まっている。

金融庁は、2023年の11月に、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)を公表したが、その趣旨を「令和5年7月以降、民間金融機関において実施した実質無利子・無担融資の返済が本格化しており、金融機関による資金繰り支援にとどまらない、事業者の実情に応じた経営改善や事業再生支援について、一層の推進を図るため」だと明記している。

内容として、ざっくり言えば、資金繰り悪化の兆候を事前に把握し、早め早めに経営改善のための計画策定等について関係機関が総がかりで、中小企業支援を行うことで、経営破綻を未然防止する、ということだ。経済産業省、中小企業庁なども連携して、経営改善に努める中小企業を支援する施策を整えている。

時間的な猶予は得られる可能性

例えば、認定経営革新等支援機関の支援を受ける計画策定に係る費用にも補助金であったり、ゼロゼロ融資の実質返済繰り延べが可能になる「コロナ借換保証」といった制度も用意されている。これもリンクをみればわかるが、合理的な改善計画を添えることが必須条件となっている。逆にいえば、経営改善計画を作りさえすれば、時間的な猶予は得られる可能性がある、と解釈することもできる。

資金繰り破綻の未然防止は、今、中小企業支援の大きな柱となっている。ゼロゼロ融資の返済開始で資金繰りに困っている、困ることが目に見えている企業は早めに、こうした制度を活用するように動き始めたほうがいい、ということだ。

これまで資金繰りについて誰かに相談したことがないのでやり方がわからない、とか、金融機関との交渉事は苦手だ、という企業も多いかもしれないが、国などがこうした体制でなんとか存続のための支援をしようとしているタイミングで、乗っかるほうが得策である。

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