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「SHOGUN 将軍」リアルな日本描写を世界が絶賛 巨額予算に込められた「欧米でもウケる」という自信

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 12時30分

登場人物たちが話の中で歌を詠むシーンも、何度も出てくる。日本以外の視聴者はそれらの短歌も英語の字幕で読むので(字幕では単純にpoemと訳されている)、リズムもわからないし、それらが優れたものなのかどうかもわからないだろう。

それを知っていながら、それが本物であるから、そして日本人にはわかるから、やっているのだ。シリーズの後半に出てくる茶道のマナーも、日本以外の人はほとんど気にしないだろうが、きちんとしている。

これらはすべて、プロデューサーも兼任する真田の徹底したこだわりのおかげだ。ハリウッドデビュー作『ラスト サムライ』でも日本の描かれ方についていろいろ意見をし、エドワード・ズウィック監督から「もし良かったら」と誘われて撮影後も自腹でロサンゼルスに半年宿泊してポストプロダクションにアドバイスをした真田は、このドラマのために、かつらや衣装、小道具のプロ、所作指導の先生など、あらゆる専門家を日本から連れてきた。

最初に気になったのは、出演者やエキストラの衣装の帯の巻き方だったとのこと。日本から専門家を呼びたいというと、最初、スタジオは「余計な経費だ」と反対したが、数日後にはプロが飛行機に乗ってやってきたという。

プロデューサーとして現場には毎朝いつも誰よりも先に入り、いろいろチェックをして、ほかの役者のリハーサルに立ち会い、それから主演俳優としてメイクをして演技をした。

鎧の衣装を着たままモニターを見て映像を確認する毎日だったが、真田によれば「まさに望むところ」。大変さやプレッシャーよりも「喜びのほうが大きかった」と語る。撮影が終わってからも、1年半をかけて、屋根の形や色、エキストラの動き、街並みの感じなど、細かいところまで目を皿のようにして確認した。

日本を題材にした作品がもっと生まれるように

そんな真田の願いは、この作品の成功が作品にかかわった俳優やクルーの次のステップにつながること。才能ある日本人がハリウッドでもっと活躍できるようになることだ。

さらに、「これがきっかけで、日本を題材にした作品を作りやすい状況になってくれて、世界に日本をアピールしていけるようになれば」とも思っている。真田とディズニーが『SHOGUN 将軍』にかける意気込みは、どんなことをもたらすのだろうか。

猿渡 由紀:L.A.在住映画ジャーナリスト

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