ウクライナが「守勢」を余儀なくされている理由 「勝ちすぎ」を恐れたバイデン政権の思惑が裏目に
東洋経済オンライン / 2024年2月27日 10時0分
EUは2024年3月までにウクライナに100万発の砲弾を送る目標を掲げていたが、生産能力の不足から、結局期限内に供与できるのはその約半分にとどまる見通しだ。この反省から、生産能力の拡充に努めており、2024年末までに年産140万発水準まで引き上げる計画だ。
こうした欧州の懸命な動きを見て、筆者が思うことがある。日本政府は憲法上の制約があり、殺傷能力がある兵器のウクライナへの直接的供与が難しい。しかし、砲弾不足にあえぐウクライナに対し、特例として砲弾そのもの、あるいは砲弾用火薬の供与に踏み切る方向へ知恵を絞る時期にきているのではないか、と。
日本政府は先にウクライナの復興支援策を話し合う「日ウクライナ経済復興推進会議」を東京で開催し、紛争終了後の復興を主導する姿勢を明確にした。これはウクライナにも高く評価され、感謝された。しかし、ゼレンスキー政権として、今そこにある「砲弾危機」への対応として、日本からも支援を受けたいというのが偽らざる本音だ。
吉田 成之:新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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