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52万円「Vision Pro」エンタメ目的なら価値あり ハワイで買う日本人続出、使ってみた感想は…

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 7時40分

しかしこのトラベルモード、現状、タクシーに乗車しているときは使いものにならなかった。電車の中でも使いづらいという話を聞いた。流れ行く車窓を認識させてしまうと、表示したウィンドウやウィジェットの類がすごい勢いで吹っ飛んでいくからだ。自分の周囲に固定しておくには車窓があまり視界に入らない場所で使うしかない。これは自動運転が当たり前となる時代までには修正してほしいと感じるところだ。

歩きながらの使用はまったく適していない。試すまでは歩きスマホ問題を解決してくれるデバイスになるかと考えていたが、こちらもまたウィンドウの位置を自分の周囲に固定することができない。徒歩移動中のナビは、従来どおりスマートフォンやスマートウォッチに頼るのがよさそうだ。

イスに座ってしまえば問題なく使用できるので、カフェのオープンテラスや公園の東屋なら、広大な画面が使えるオフィス空間が作れると考えてよい。鉄道の駅に設置されたカプセル式のシェアオフィスでも快適に仕事ができるだろう。

文字入力が多すぎる職業には向かない

実際に屋外でVision Proを使ったときの印象を記そう。なんといっても文字入力のしにくさには閉口した。ソフトウェアキーボードを見て、目線で文字を選び、膝上に置いた指の操作で文字の入力をしていくのだが、ハードウェアキーボードやスマートフォンのフリック入力に慣れた身としては、高価で最新のデバイスでなぜここまでストレスを感じなくてはならないのかとうんざりする。

これならば最初からハンドコントローラーが付属している10万円以下のXRデバイスを使いたくなる。Bluetoothキーボードを使うという手段もあるが、手元のiPhoneでフリック入力した文字をVision Pro側のウィンドウ内に入力するシステムが欲しい。

同時に、文字入力を前程としない仕事であれば効果は高いのかもしれないと考えられる。Vision ProのUIを用いてWord書類やExcel/PowerPointデータを確認できるアプリがまだないため、想像にすぎないが、データを目視して、修正点やコメントを入れたい場所を注視、音声認識・文字変換によるコメントや指示の入力はしやすそうだ。

公共交通機関で移動中の使用には抵抗があるが、将来的に音漏れしにくいマスクをつけた状態で声を拾ってくれる仕組みが導入されれば、別の入力デバイスがなくても快適に仕事ができるようになるのではという期待はいだける。

高精度な立体視ディスプレーとしての可能性

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