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停滞するDeNA、「280億円減損で赤字」の正念場 屋台骨のゲーム事業は戦略を大幅見直しへ

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 7時20分

10年前からDeNAの売上高は3割以上減り、ゲームに次ぐ柱を打ち出せずにいる(撮影:尾形文繁)

かつてソーシャルゲームで急成長を遂げたディー・エヌ・エー(DeNA)が、もがいている。

【図表で見る】DeNAの業績推移。柱のゲーム事業の低迷により、停滞し続けている

IT大手のDeNAは2月7日、2024年3月期第3四半期決算(国際会計基準)を発表した。売上収益は前年同期比2.7%増の1041億円だった一方、営業損益は276億円の赤字(前年同期は50億円の黒字)に転落した。通期でも赤字となる見通しという。

この決算を受けて、DeNAの株価は急落した。足元では1250円前後と、2月7日終値の1528円と比べ2割近くも下がっている。

柱のゲーム事業の利益は95%減

赤字に陥った最大の要因は、約276億円の減損損失を計上したことにある。

DeNAの事業領域は、①スマホやブラウザゲームを提供するゲーム事業、②ライブストリーミング事業、③野球・バスケなどのスポーツ事業、④ヘルスケア・メディカル事業に大きく分けられる。

今回の減損のうち、とくに大きな損失を出したのがゲーム事業だ。ソフトウェア関連などで114億円の減損を計上した。ゲーム事業の第3四半期累計の売上収益は前年同期比16.5%減の390億円、利益に関しては減損影響を除いても同95.5%減の2.5億円と、厳しい状況に陥っている。

DeNAにとってゲーム事業は、今も全社売上高の約5割を稼ぐ屋台骨だ。それがなぜ苦境に立たされているのか。

これまでDeNAは、日本と中国を拠点にゲームを開発・展開してきた。中国には、2006年7月に「モバゲー」の拠点として現地法人を設立。直近でも、「HUNTER×HUNTER」や「キャプテン翼」など、日本の人気アニメIPのスマホゲームを現地で展開していた。

だが、中国事業は3年ほど前からユーザー消費額の減少が続き、今期は第3四半期累計で営業損失を計上している。不調の背景にあるのが市場環境の変化だ。

中国においてゲームを配信するには、「版号」と呼ばれる政府のライセンスが必要になる。最近は若者のゲーム依存などを背景に、ライセンスの認可に規制がかけられるケースなどが頻発していた。

また、スマホゲームの高品質化や競争激化により、マーケティングにかかる費用が拡大。リリース計画や販売見通しを見直さざるをえない事態が続いていた。そのためDeNAは目下、中国事業の位置づけを抜本的に見直すとともに、拠点規模の大幅な縮小に着手している。

事業の拠点を日本中心に切り替え

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