埼玉大学「2年前と全く同じ問題を出題」の衝撃 どんな内容だったか、同じ問題出した意図とは
東洋経済オンライン / 2024年2月28日 7時50分
「宇宙探索は重要だ!」という主張と「宇宙探索はお金の無駄だ!別の大事なものにお金をかけるべきだ!」という主張にはどちらにも正当性があり、片方の立場を取るとしても、ディベートのようにきちんと反論できるようにしなければなりません。
例えば「宇宙探索にはロマンがあって、科学研究の推進力になるはずだ!」と主張するにしても、きちんと「現実的に地球にはもっと緊急性の高い問題が多いじゃないか」という意見に対する反論も用意しなければなりません。
今回東大生たちにも解いてもらいましたが、複数の理由を挙げるのがなかなか難しい、という声が多かったです。(東大生たちの解答はこちら)彼ら彼女らの話を聞くと、付け焼き刃の知識ではなかなか対応できない良問だったと言えます。
さて、だからといって「まったく同じ問題を出題する」というのはどんな意図があるのでしょうか?
実は過去にも、似たような事例はありました。東京大学の日本史の問題で、以下のような問題が出題されたことがあったのです。
次の文章は、数年前の東京大学入学試験における、日本史の設問の一部と、その際、受験生が書いた答案の一例である。当時、日本史を受験した多くのものが、これと同じような答案を提出したが、採点にあたっては、低い評点しか与えられなかった。なぜ低い評点しか与えられなかったかを考え、(その理由は書く必要がない)、設問に対する新しい解答を5行以内で記せ。(1983年度第1問)
同じ問題に対する答えを書かせる、という点では、今回の問題と同じです。そのうえで、ご丁寧に「採点にあたって低い評点を与えた答案」が添付されていました。
大学側にとって入学試験は、「受験生のそれまでの努力や知識量・能力を測るもの」ですよね。そう考えると、大学側として「いい入試問題」とは、「それまでの努力や知識量・能力に応じて、解ける人と解けない人がはっきり分かれる問題」だと言えます。
きっと、今回の埼玉大学の問題も、1983年の東京大学の問題も、「解ける人と解けない人がはっきり分かれた問題」だったのではないでしょうか。
埼玉大学は入試過去問題活用宣言に参加
なお、今年度の埼玉大学の入試要項には、『本学は、「入試過去問題活用宣言」に参加しており、個別学力検査において、本学だけでなく「入試過去問題活用宣言」参加校の過去問題を利用する場合がある。』との記載がありました。
「過去問とまったく同じ問題が出題された!」とSNSでは話題になりましたが、埼玉大学は事前に入試要項でも記載しており、それに則って出題したのだと思われます。
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